ルパン三世 the Last Job

ルパン三世 the Last Job:風魔一族の秘宝と、最後の仕事



2010年2月12日、日本テレビ系列の『金曜ロードショー』で放送された『ルパン三世 the Last Job』は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』テレビスペシャルシリーズの第21作目です。17.6%という高い視聴率を獲得し、話題を呼びました。本作は、風魔一族の秘宝「風神」を巡る、ルパン三世と国際的な武装集団との戦いを描いた作品です。

物語の舞台:歴史と陰謀が交錯する世界



物語は、アドルフ・ヒトラーに贈られたという戦国時代の仏像「地獄如来像」から始まります。ルパン三世は、この仏像が「風神」のありかを示す手がかりだと見抜き、強奪を試みます。しかし、そこに現れたのは、ハイテク忍者集団を率いる謎の男・モルガーナ。銭形警部も巻き込んだ壮絶な争奪戦が展開されます。

舞台となるのは、ドイツのプローラやローマなど、ヨーロッパ各地。歴史的な建造物や遺跡が、物語に重厚感と謎めいた雰囲気を与えています。また、風魔一族という日本の伝統的な忍者集団と、西洋のハイテク忍者集団という対比も、本作の魅力の一つです。

登場人物:個性豊かなキャラクターたちが織りなすドラマ



本作には、おなじみのルパン三世次元大介、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部に加え、魅力的なゲストキャラクターが登場します。

神楽坂飛鳥: 風魔一族の末裔であり、ICPOの潜入捜査官という二つの顔を持つ女性。ルパンに協力を求める彼女の真意とは?
モルガーナ: ハイテク忍者集団を率いる謎の男。その正体は、ローマを起源とする秘密結社の末裔。世界征服を目論む彼の野望とは?
* 摩耶: モルガーナの部下であり、風魔一族の末裔の女忍者。実は飛鳥と協力関係にあった。

その他にも、個性豊かな敵幹部や、シリーズの音楽を担当する大野雄二を模した演奏家など、多くのキャラクターが登場し、物語に彩りを添えています。

キャストとスタッフ:豪華声優陣とベテランスタッフの集結



ルパン三世役の栗田貫一をはじめ、主要キャラクターの声優陣は、シリーズおなじみの豪華メンバーが勢揃い。ゲストキャラクターには、平野綾津嘉山正種朴璐美、玄田哲章、藤原啓治といったベテラン声優陣が参加しています。

また、監督・絵コンテにはアミノテツロ、脚本には大川俊道など、数々のルパン三世作品を手掛けてきたベテランスタッフが参加。彼らの高い技術と経験が、本作の高いクオリティを支えています。

「Last Job」の重み:時代の転換点



この作品は、翌2011年に放送された『ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜』で、石川五ェ門役の井上真樹夫峰不二子役の増山江威子、銭形警部役の納谷悟朗の3名が交代する前の最後の作品となりました。まさにタイトル通りの「Last Job」であり、彼らの最後の共演作として、多くのファンにとって特別な作品となっています。さらに、33年間シリーズの録音監督を務めた加藤敏も本作を最後に降板しました。

緻密なストーリーとアクション:見逃せないポイント



本作は、歴史的な背景と、複雑に絡み合う人物関係、そして手に汗握るアクションシーンが見事に融合しています。ルパン三世の華麗な盗み、次元大介と五ェ門の活躍、そして峰不二子の裏切りなど、シリーズの魅力が凝縮されています。また、ハイテク忍者集団の戦闘シーンも見どころの一つで、迫力満点のアクションに目が離せません。さらに、神楽坂飛鳥と虎太郎(飛鳥の忍犬)の活躍も物語を盛り上げます。

「風神」の正体や、その起動方法、そして風魔一族とローマの関わりなど、謎解き要素も満載。最後まで目が離せない、見応えのある作品です。

関連作品:漫画版との連携



ルパン三世officialマガジン』では、本作に関連した漫画が掲載されました。テレビスペシャルとは異なる視点や設定が描かれており、こちらも合わせて楽しむことができます。

ルパン三世 the Last Job』は、シリーズの歴史に大きな足跡を残した、重要な作品と言えるでしょう。

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