ルベッツ

ルベッツ(The Rubettes)の栄光と苦難の歴史：ヒット曲からバンド分裂、そして再結成へ

1974年、イギリスでデビューしたルベッツ(The Rubettes)は、軽快なメロディーとキャッチーなサウンドで世界中に知られる存在となりました。特に、デビューシングルである「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、イギリスで1位を記録するなど大ヒットを飛ばし、バンドを世界的な人気へと導きました。しかし、その華やかな成功の裏には、メンバーチェンジやバンド分裂といった、幾多の苦難が潜んでいました。

バンドの結成は1973年。ウェイン・ビッカートンが制作したデモテープをきっかけに、数人のスタジオミュージシャンを中心に集結しました。初期メンバーには、後に「シュガー・ベイビー・ラヴ」のリードボーカルを務めるポール・ダ・ヴィンチ、キーボードのビル・ハード、ベースのミック・クラーク、ドラムスのジョン・リチャードソンなどが名を連ねています。

「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、ポール・ダ・ヴィンチのボーカルによってレコーディングされました。プロデューサー陣から絶賛されたそのボーカルトラックは、そのままデビューシングルとしてリリースされ、大成功を収めます。しかし、ポールはその後、別のレコード会社と契約したため、ルベッツを脱退することになります。

ポールの脱退後、ルベッツはリードボーカルを探さなければなりませんでした。そこで、アラン・ウィリアムズがジョン・リチャードソンの紹介により、新ボーカルとしてバンドに加入しました。アランは、以前から「シュガー・ベイビー・ラヴ」のコーラスグループとして参加していた経験がありました。2枚目のシングル「トゥナイト」から、アランがリードボーカルを務めることになります。

1970年代を通して、ルベッツは数々のヒット曲をリリースし、ヨーロッパを中心に人気を博しました。しかし、アメリカでの成功は限定的で、「シュガー・ベイビー・ラヴ」が最高37位を記録したのみでした。1979年には一度活動停止となりますが、ドイツのプロモーターの要請を受け、1982年に再結成し、ヨーロッパを中心に活動を再開します。

しかし、ルベッツの歴史は順風満帆ではありませんでした。1989年にはミック・クラークが脱退。1990年代に入ると、ベースにはトレバー・ホリデーやマンフレッド・マンズ・アース・バンドのスティーブ・キンチが参加するなど、メンバーの入れ替わりが激しくなります。

そして、1990年代後半、ルベッツは分裂という大きな危機を迎えます。バンドはふたつの陣営に分かれ、法廷闘争の末、2002年に裁判所が両方に「The Rubettes」の名称使用を認める判決を下しました。これにより、以降は「The Rubettes Featuring Alan Williams」と「The Rubettes Featuring Bill Hurd」という形で、それぞれのグループが活動を続けることになりました。

2019年、45周年記念ツアーを目前に控えたルベッツは、再び分裂します。アラン・ウィリアムズ率いるグループからジョン・リチャードソン、ミック・クラーク、スティーブ・イーサリントンが脱退し、3名で新生「ルベッツ」を結成、活動をスタートさせました。一方、アランは新メンバーを加え、ツアーを敢行しました。

その後、アラン組から脱退したジョン・リチャードソンとミック・クラークは、以前分裂したビル・ハードと合流し、マーク・ライトを加えて、新たにルベッツとして活動を開始。2022年にはドイツのライプツィヒでライブを行うなど、精力的に活動を続けています。

さらに、2023年には、ジョン・リチャードソン、ミック・クラーク、マーク・ライト、スティーブ・イーサリントンによる新バンド「Sugar Baby Loves」も結成されました。

ルベッツは、数多くのメンバーチェンジと分裂、そして再結成を繰り返しながら、現在も音楽活動を続けています。「シュガー・ベイビー・ラヴ」という大ヒット曲に彩られた彼らの歴史は、音楽業界における成功と挫折、そして再起の物語として、長く語り継がれることでしょう。それぞれのグループが、ルベッツの伝統とスピリットを受け継ぎ、独自の音楽性を追求し続けています。彼らの今後の活動にも注目が集まります。

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