シュガー・ベイビー・ラヴ

シュガー・ベイビー・ラヴ：世界を魅了した一曲の軌跡

1974年1月、世界は新たなポップ・アンセムの誕生を目撃しました。イギリスのバンド、ルベッツのデビューシングル「シュガー・ベイビー・ラヴ」です。この曲は瞬く間にチャートを駆け上がり、イギリス、スイス、そしてドイツで1位を獲得。日本でもポリドール株式会社（現ユニバーサル ミュージック合同会社）から発売され、大きな人気を博しました。

制作秘話：偶然から生まれた奇跡

この楽曲の誕生は、ある意味偶然の産物でした。1973年、ロンドンのランズダウン・スタジオでウェイン・ビッカートンがデモテープを制作するために集まった6人のミュージシャンたち。セッションの中で生まれた「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、ミュージシャンたちの心を掴み、彼ら自身による演奏でレコーディングされることになります。しかし、レコーディング後、リードボーカルを務めたポール・ダ・ヴィンチが脱退。通常であれば、新たなボーカルを探して再レコーディングするのが一般的ですが、ウェインはポールの魅力的なボーカルを活かすことを決断。ポールのリードボーカルを採用し、1974年1月にリリースされたシングルは、その高い歌唱力で世界中で800万枚ものセールスを記録する大ヒットとなりました。 正式デビューメンバーであるアラン・ウィリアムスも、この曲ではコーラスとして参加しています。

レコーディングメンバー

ポール・ダ・ヴィンチ (ボーカル)
アラン・ウィリアムス (コーラス)
ミック・クラーク (エレクトリックベース)
トニー・ソープ (エレキギター)
ジョン・リチャードソン (ドラム)
ビル・ハード (ピアノ)
ピーター・アーニセン (ピアノ)

80年代のリミックスと入手困難な12インチ盤

1987年には、「Sugar Baby Love (Remix 87) Extended Version」が12インチ盤と7インチ盤でリリースされました。約6分47秒に及ぶこのリミックスバージョンは、オリジナルシングルとは異なり、フェードアウトせずに曲が継続するため、新たな魅力が加えられています。B面には「(Under One Roof (New Version))」が収録されています。しかし、このレコードは日本での入手が非常に困難となっています。

多彩なカバー：時代を超えて愛される旋律

「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、そのキャッチーなメロディーと普遍的なテーマから、多くのアーティストによってカバーされています。

デイヴ (Dave)
布袋寅泰 (GUITARHYTHM III、GUITARHYTHM WILD、MODERN TIMES ROCK'N'ROLL)
Wink
石田燿子
キャンディーズ（山上路夫による日本語詞でアルバム「なみだの季節」に収録）
Tops
レディオサイエンス
LES BLUE BELLES (イタリアのTIME RECORDSリリース、日本のユーロビートコンピレーションアルバムにも収録)
Mon thys (ドイツ語カバー)

そして、日本のCMソングへ

さらに、「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、日本のテレビドラマやCMでも頻繁に使用されています。フジテレビのドラマ『WATER BOYS』シリーズの挿入歌やシンクロ楽曲として使用された他、KDDI『au WALLET』やY!mobileのCMソングとしても起用。アサヒビール「アサヒ本生アクアブルー」のCMでは、佐野元春や伊勢谷友介が出演する中で、川嶋可能による編曲のカバーバージョンが使用されました。

まとめ：不滅のポップ・アンセム

「シュガー・ベイビー・ラヴ」は、その誕生から現在まで、時代を超えて人々の心を掴み続けている名曲です。偶然の産物から生まれたこの曲は、多くのアーティストにインスピレーションを与え、様々な形で現代に受け継がれています。その魅力は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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