ルヴァン (クラッカー)

ルヴァン (Levain)

概要

ルヴァンは、日本の製菓会社であるヤマザキビスケットが製造・販売を手がけるクラッカー商品の主力ブランドです。その名称はフランス語で「発酵種」を意味しており、山崎製パンが製造するパン製品の一部（例: ルヴァンバターロール）にもその名が冠されています。

ブランド誕生の背景

このブランドの誕生には、日本の製菓市場における重要な転換点が関わっています。

かつて、ルヴァンの製造元であるヤマザキビスケットは、「ヤマザキナビスコ」という社名でした。同社は、アメリカの食品会社モンデリーズ社（当時のナビスコを含む）と長期にわたるライセンス契約を結んでおり、「リッツ」「プレミアム」「オレオ」といったナビスコブランドの代表的な製品を日本国内で製造・販売する事業を展開していました。これらの製品は日本の消費者に広く親しまれていました。

しかし、このライセンス契約が2016年8月31日をもって満了することになります。これに伴い、モンデリーズ側は翌9月1日以降、日本におけるナビスコ製品の供給体制を自社での生産および販売に切り替える方針を表明しました。

これを受けて、ヤマザキナビスコはライセンス契約の更新という道を選ばず、自社ブランドによる新たな製品展開を決断します。そして、社名を現在の「ヤマザキビスケット」に改称した上で、自社開発による新たなクラッカーブランドとして「ルヴァン」の発売を開始したのです。製造は、ヤマザキナビスコ時代にリッツを生産していた茨城県古河市の工場が引き続き担っています。一方、モンデリーズが手がけることになったリッツは、製造拠点がインドネシアへと移されました。

形状の変遷

「ルヴァン」が最初に発売された際、そのクラッカーの形状は、それまで親しまれていたリッツの丸型とは異なり、正方形の四隅を落とした八角形（同社の別製品「レモンパック」と同型）でした。これは、当時のライセンス契約終了に伴う取り決めにより、旧製品と類似した形状での製造・販売に一定の制限があったためです。

この制限が解除されると、ヤマザキビスケットは形状の異なる製品を展開します。2017年12月1日には、かつてのリッツを思わせる丸型の「ルヴァンプライムスナック」が発売されました。また、「ルヴァンクラシカル」は、かつての「プレミアム」のような長方形のシート型ソーダクラッカーへと変更されました。

2022年3月7日には、主要製品ラインナップの大きな刷新（フルモデルチェンジ）が行われました。初代「ルヴァン（オリジナル）」の後継商品として「ルヴァン 全粒粉クラッカー」が登場。これにより、「ルヴァンプライムスナック」は「ルヴァンプライムクラッカー」に、「ルヴァンクラシカル」は「ルヴァンクラシカルクラッカー」へとそれぞれ名称が改められました。

主な商品ラインナップ

現在市場で展開されているルヴァンブランドの主な製品は以下の通りです。

ルヴァン全粒粉クラッカー: 初代ルヴァン（オリジナル）の後継にあたる製品で、全粒粉を使用しています（箱色は青）。
ルヴァンプライムクラッカー: かつてのルヴァンプライムスナックから名称変更された、丸型のクラッカーです（箱色は赤）。
ルヴァンクラシカルクラッカー: かつてのルヴァンクラシカルから名称変更された、長方形のシート型ソーダクラッカーです（箱色は水色）。
ルヴァンプライムチーズサンド: リッツチーズサンドの後継として開発された製品で、ルヴァンプライムクラッカーにチーズクリームをサンドしたものです。当初はルヴァンチーズサンドという名称でした。携帯に便利なYBCスタンドパックシリーズやミニシリーズ、ハンディパックなど、様々な形態で展開されており、ハンディパックではカマンベール＆ペッパー味や燻製チーズ味といったバラエティ豊かなフレーバーも提供されています。

過去には、初代のルヴァン（オリジナル）やルヴァンクラシカルのほか、「ルヴァンクラシカル ノントッピングソルト」、「ルヴァンプライムスナック」、「ルヴァン カスタードサンド」（リッツカスタードサンドの後継、ルヴァンにカスタードクリームをサンド、スタンドパックシリーズで展開）なども販売されていました。

CMと関連活動

ルヴァンブランドのCMには、ブランド誕生当初（2016年）から2022年まで、かつてヤマザキナビスコ版リッツのCMに出演していた女優の沢口靖子さんが起用されました。2022年からは、男性アイドルグループのHey! Say! JUMP|Hey!_Say!_JUMPが新たなCMキャラクターを務めています。

また、ルヴァンは日本のプロサッカーリーグであるJリーグが主催するカップ戦の大会名に協賛しており、その名称が用いられています。

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