ルーはノンと言わなかった

映画『ルーはノンと言わなかった』について

『ルーはノンと言わなかった』（仏語: Lou n'a pas dit non）は、1994年に製作・公開された、アンヌ＝マリー・ミエヴィル監督によるフランスとスイスの合作映画です。この作品は、ヌーヴェルヴァーグの巨匠ジャン＝リュック・ゴダールのパートナーであり、共に映画製作会社ペリフェリアを運営するミエヴィルが単独で監督を務めた長編劇映画の2作目となります。ゴダールは本作ではプロデューサーとして制作を支えています。

映画の着想

この映画は、著名な知識人であるルー・アンドレアス・ザロメと詩人ライナー・マリア・リルケの往復書簡からインスピレーションを受けています。物語の中心となるのは、マリー・ビュネルが演じる若い短編映画作家ルーです。彼女は、ルーヴル美術館に所蔵されているヴィーナスとマルスの像を題材とした映画の撮影に取り組んでいます。

ストーリー

物語は、ルーとピエールという二人の関係が破綻するところから始まります。ピエールは別の女性と結婚しなければならず、二人の関係は終わりを迎えます。ルーは、ルーヴル美術館にあるヴィーナスとマルスの像をテーマにした短編映画の制作を進めています。ある夜、ルーとピエールは再会し、モダンバレエを観劇しますが、口論となり、二人は劇場を後にします。その後、リルケの墓参りのため、スイスのヴァレー州にあるラローニュの墓地へ向かいます。ピエールは女性関係が絶えず、ルーは、ピエールの嫌う美術館の管理人テオと関係を持つようになります。ルーは、自宅で電話相談の仕事をしながら、短編映画の完成を目指します。そして、ついに完成した映画は上映されることになります。

映画祭での評価

本作は、1994年のロカルノ国際映画祭で金豹賞にノミネートされ、コンペティション部門で上映されました。また、同年にはベルフォール国際映画祭でグランプリを受賞するなど、高い評価を得ています。

作品情報

監督・脚本・編集: アンヌ＝マリー・ミエヴィル
撮影監督: ジャン＝ポール・ロザ・ダ・コスタ
録音: ピエール＝アラン・ベス、フランソワ・ミュジー
美術・装飾: イヴァン・ニクラス
衣裳: マリナ・ジュリアーニ
コレオグラフ: ジャン＝クロード・ガロッタ
音楽: フレデリック・ショパン、ドミトリー・ショスタコーヴィチ、セルジュ・ウパン、キース・ジャレット、グスタフ・マーラー、アルヴォ・ペルト、ジョアキーノ・ロッシーニ
プロデューサー: ジャン＝リュック・ゴダール、アラン・サルド
製作: カナル・プリュス、ペリフェリア、ラジオ・テレヴィジオン・スイス・ロマンド、サラ・フィルム、ヴェガ・フィルム、スイス連邦内務省（DFI）
撮影地: フランス（オート＝サヴォワ県アヌシー、パリ・ルーヴル美術館、パリ郊外）、スイス（ヴォー州・ロール、リュトリ、ヴヴェ）
形式: カラー、35ミリフィルム、ドルビーステレオ録音
ジャンル: ドラマ映画

キャスト

マリー・ビュネル - ルー
マニュエル・ブラン - ピエール
カロリーヌ・ミクラ - イザベル
ジェヌヴィエーヴ・パスキエ - シュザンヌ
メティルド・ヴェイェルガンス - フロランス
ジャン＝フランソワ・バルメール - 声の出演
ヴィルフレッド・ブナイシュ - フランソワ・パスキエ
ハリー・クリーヴン - テオ
ヴァレリアーヌ・ド・ヴィルヌーヴ - 秘書
ダニエル・エミルフォルク - 声の出演
ジェローム・アルドレー
フィリップ・コルサン - 声の出演
セルジュ・レンコ - ゴールデン・ボーイ

関連書籍

Rainer Maria Rilke, Lou Andreas-Salome, Rainer Maria Rilke And Lou Andreas-salome: The Correspondence, W W Norton & Co Inc, 2006 ISBN 0393049760

外部リンク

Lou n'a pas dit non - BiFi（フランス語）
Lou n'a pas dit non - IMDb（英語）

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