ルートヴィヒ4世 (東フランク王)

ルートヴィヒ4世：幼き王の苦難とカロリング朝の終焉

ルートヴィヒ4世（893年 - 911年）は、カロリング朝東フランク王国の第4代にして最後の王です。その治世は、幼少での即位と相次ぐ外敵の侵入、そして若すぎる死によって特徴づけられます。

生涯

893年、ルートヴィヒ4世は東フランク国王アルヌルフと、コンラディン家のヘッセンガウ伯ベレンガルの娘オーダの間に生まれました。わずか6歳で父の跡を継いで王位に就きます。幼い王を支えたのは、マインツ大司教ハットー、アウクスブルク司教アーダルベロ、コンスタンツ司教ザロモ3世といった高位聖職者たちでした。また、母方のコンラディン家からはラーンガウ伯コンラート（異母姉の夫）や、後のロートリンゲン公となるゲープハルトらが摂政として補佐しました。さらに、父方の親族とされるルイトポルト家のバイエルン辺境伯ルイトポルトも、幼い王を支える役割を担いました。

900年には、異母兄ツヴェンティボルトの死によってロタリンギア王を兼ねることになります。

しかし、ルートヴィヒ4世の治世は平穏ではありませんでした。900年以降、東方からマジャル人が侵入を繰り返します。摂政団は十分な対応を取ることができず、907年にはバイエルン辺境伯ルイトポルトらがブラチスラヴァ近郊で戦死し、領土の一部を奪われるという事態に陥りました。910年にもアウクスブルク近郊でマジャル軍に大敗し、ロートリンゲン公ゲープハルトが戦死しています。

911年、ルートヴィヒ4世はわずか17歳でこの世を去りました。後継者がいなかったため、カロリング朝東フランク王国は断絶。王位は、異母姉グリスムートとラーンガウ伯コンラートの息子であるコンラディン家のフランケン大公コンラート1世が継承することになりました。

ルートヴィヒ4世の短い生涯は、幼少での即位、外敵の侵入、そして若すぎる死という悲劇的な要素が重なっています。彼の死はカロリング朝東フランク王国の終焉を意味し、東フランク王国は新たな時代を迎えることになったのです。

参考文献

成瀬治 他 編 『世界歴史大系 ドイツ史 1』 山川出版社、1997年
瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年

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