ルーブ・ワッデル

ジョージ・エドワード・ワッデル

ジョージ・エドワード・「ルーブ」・ワッデル（George Edward "Rube" Waddell）は、アメリカのペンシルベニア州出身のプロ野球選手（投手）です。彼の名前は、1897年にルイビル・カーネルズと契約し、新たなスポーツキャリアの第一歩を踏み出したところから始まります。それ以降、ワッデルは多くのファンに愛され、彼の個性的なキャラクターと投球スタイルは今なお語り継がれています。

経歴と球歴

ワッデルは野球を愛してやまない少年でした。小学校に通う日々の中で、彼はしばしば学校を抜け出して友人たちと野球を楽しんでいました。1897年、彼はナショナルリーグで初めて登板します。最初のシーズンではわずか2試合の登板でしたが、翌年にはデトロイト球団に貸し出され、1899年には再度ルイビルに戻りました。しかし、そのルイビルチームは消滅してしまい、彼は1900年にピッツバーグ・パイレーツに移籍します。

パイレーツ在籍の年、ワッデルは29試合に登板し、8勝13敗、130奪三振を記録します。この成績は防御率が2.37でリーグ最高ではありましたが、彼の独特な行動が災いし、監督のフレッド・クラークから出場停止となる事態を招きました。以降、ワッデルはシカゴ・カブスを経て、アメリカンリーグのフィラデルフィア・アスレチックスに加入します。

アスレチックスでの彼は才能が開花し、1902年7月には「三者連続三球三振」という驚異的な記録を達成しました。彼は1905年までの6年間、リーグ最多奪三振の称号を手にし、主力投手としてチームを支えました。特に、1904年のシーズンでは25勝19敗を記録し、349奪三振は今なおアメリカンリーグ左腕投手の最高記録として残っています。

奇行とユニークなエピソード

ワッデルはその投球能力だけでなく、奇行でも知られています。彼は、発達障害や自閉症の特徴を持っていた可能性が指摘されており、一風変わった行動が彼の特徴でした。酒と消防車、釣りをこよなく愛し、時には試合中に消防車のサイレンを聞いて消火活動に駆けつけたり、シーズンオフには町の子供たちとワニとレスリングを行ったこともあります。

また、彼は先発投手としての試合を忘れてしまうことがあったといいます。釣りに夢中になり、試合の直前に観客をかき分けてグラウンドに飛び込む場面もありました。このようなエピソードは多く、彼のユニークなキャラクターを際立たせています。一つの契約には「ベッドで動物ビスケットを食べない」という条項が設けられるほどでした。ワッデルはお菓子のビスケットをたんのうし、部屋を散らかすことで仲間に迷惑をかけたためです。さらに、試合前に少年野球に飛び入り参加して、試合に遅れそうになった事件も話題となりました。

また、彼の酒好きは階級においても問題視されており、時には喧嘩に発展することもありました。そのため、監督のコニー・マックは彼を懲らしめるために偽の裁判を開催したこともあります。この出来事がきっかけで彼は1910年に19連勝を挙げ、成績を回復させました。

引退後の生活

1910年にメジャーリーグを去った後、ワッデルはマイナーリーグで活動していましたが、1912年に村での洪水救助活動が元で結核にかかり、1914年に亡くなりました。若くしての死でしたが、彼の偉業は後世に語り継がれ、1946年にはアメリカ野球殿堂に選出されています。

投手成績と記録

ワッデルは投手三冠を1回、最多勝利を1回、最優秀防御率を2回獲得するなど、数々の記録を残しました。彼の通算防御率は2.16で歴代7位の成績です。特に彼の349奪三振は強烈な印象を与え、左腕投手としても名を残す結果となりました。彼の業績は今なお野球ファンによって称賛され続けており、彼の独特な人生はスポーツ界の伝説の一部となっています。

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