ルールズ・オブ・アトラクション

『ルールズ・オブ・アトラクション』

ブレット・イーストン・エリスによる1987年発表の小説『ルールズ・オブ・アトラクション』は、1980年代のアメリカ大学生の退廃的な日常と恋愛模様を描いた作品です。2002年にはロジャー・エイヴァリー監督によって映画化もされています。

概要

舞台は、セックス、ドラッグ、アルコールに溺れる大学生たちの無秩序な生活。彼らの刹那的な日常と、複雑に絡み合う恋愛関係が、シニカルな視点から描かれています。作者エリスの母校であるベニントン大学が、作中の大学のモデルとなっています。

また、本作に登場するショーン・ベイトマンは、エリスの次作『アメリカン・サイコ』の主人公パトリック・ベイトマンの兄という設定です。

映画

映画版もまた、原作同様に1980年代の大学生たちの退廃的な生活を背景に、群像劇として展開されます。ロジャー・エイヴァリー監督は、フィルムの逆回転や特殊なカメラワークを多用し、独特の映像表現を追求しています。また、素人AVのような「生撮り」的な場面を挿入するなど、実験的な試みも多く見られます。

映画全体にはパロディ的な要素も散りばめられており、エリスの小説の映画化作品の中では、比較的コメディ色が強いのが特徴です。

ストーリー

物語は、ニューイングランド地方に位置する名門カムデン大学を舞台に展開されます。学費がアメリカで一番高いと言われるこの大学に通うローレンは、ある日、教室の前でプレイボーイとして有名なショーンと出会い、運命的なものを感じます。しかし、ローレンはヨーロッパ旅行中のヴィクターに恋心を抱いており、一方のショーンはローレンに本気で惹かれていきます。さらに、ローレンの元恋人でバイセクシュアルのポールは、ショーンに想いを寄せていました。

それぞれの想いが交錯し、複雑に絡み合う男女の恋愛模様は、やがて皮肉な結末へと向かっていきます。

キャスト

ローレン・ヒンデ：シャニン・ソサモン（松本梨香）
ショーン・ベイトマン：ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク（川島得愛）
ポール・デントン：イアン・サマーホルダー（平川大輔）
ヴィクター：キップ・パルデュー（浪川大輔）
ララ：ジェシカ・ビール（本田貴子）
ケリー：ケイト・ボスワース（小林沙苗）
ハリー：ジェイ・バルチェル
ルパート：クリフトン・コリンズ・Jr
ミッチェル：トーマス・イアン・ニコラス
リチャード：ラッセル・サムズ
キャンディス：クレア・クレイマー
マーク：フレッド・サベージ
ローソン教授：エリック・ストルツ（堀内賢雄）
デントン夫人：フェイ・ダナウェイ（鈴木弘子）
ジャレッド夫人：スージー・カーツ

備考

主演のジェームズ・ヴァン・ダー・ビークによると、ロジャー・エイヴァリー監督は当初、『アメリカン・サイコ』でパトリック・ベイトマンを演じたクリスチャン・ベールを、カメオ出演させることを検討していたそうです。しかし、ベールのスケジュールが合わず断念。その名残として、劇中のセリフに「パトリック」という名前のみが残されたとのことです。

外部リンク

公式ウェブサイト
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