ルー・ウィリアムズ

ルイス・ウィリアムズ：NBAを彩った名シックスマンの軌跡

ルイス・ティロン・ウィリアムズ（Louis Tyrone Williams, 1986年10月27日 - ）は、アメリカ合衆国テネシー州メンフィス出身の元プロバスケットボール選手です。NBAのアトランタ・ホークスなどで活躍し、ポジションはガードを務めました。

高校時代から注目を集め、NBAへ

ジョージア州のサウスグウィネット高等学校時代から、ウィリアムズは全米でその名を知られる存在でした。マクドナルド・オール・アメリカンにも選出されるなど、将来を嘱望された彼は、当初ジョージア大学に進学する予定でした。しかし、2005年のNBAドラフトにエントリーすることを決意し、2巡目45位でフィラデルフィア・セブンティシクサーズに指名され、プロの道へと進みました。

シクサーズ時代：シックスマンとしての才能を開花

ルーキー時代は、アレン・アイバーソンの存在もあり、出場機会は限られていました。しかし、アイバーソンが移籍した2006-07シーズン頃から徐々に出場時間を増やし、シックスマンとしてチームに貢献するようになります。2010-11シーズンには、NBAシックスマン賞の投票で6位に入り、その才能の片鱗を見せました。続く2011-12シーズンには、ジェームズ・ハーデンに次ぐ2位となり、シックスマンとしての地位を確立しました。

ホークス、ラプターズ、レイカーズ、ロケッツ、クリッパーズ…各地で活躍

2012年7月、地元のアトランタ・ホークスと契約。しかし、2013年1月に右膝の前十字靭帯を断裂する重傷を負い、ホークスではシクサーズ時代のような活躍を見せることはできませんでした。

2014年7月、トロント・ラプターズに移籍。2014-15シーズンは80試合に出場し、平均25.2分、15.5得点1.9リバウンド2.1アシスト1.1スティールを記録。見事シックスマン賞を受賞しました。

その後、2015年7月5日にロサンゼルス・レイカーズに3年2100万ドルの契約で移籍。2017年2月21日にはヒューストン・ロケッツに移籍し、シックスマン賞の投票で3位に入りました。

しかし、シーズン終了後の2017年6月28日、クリス・ポールとの大型トレードでロサンゼルス・クリッパーズに移籍。2018年1月20日のユタ・ジャズ戦では31得点7アシスト10スティールを記録し、NBAで1試合30得点10スティールを達成したのは、1988年1月29日のマイケル・ジョーダン以来30年ぶりという記録でした。2017-18シーズンの出場32.8分22.6得点5.3アシストはいずれも自己最高でした。

ホークス復帰、そして引退へ

2021年3月25日、ラジョン・ロンドとのトレードで古巣のホークスに復帰。2021年8月6日には、1年500万ドルでホークスと再契約しました。

2023年6月18日、ウィリアムズは現役引退を発表しました。現役引退時点で、ジャマール・クロフォードと並んで最多タイとなる3回のシックスマン賞を受賞しています。

プレースタイル：得点力に特化したシックスマン

公称185cmというサイズながら、ポジション的にはPGでありながら、プレースタイルはSGに近いものでした。短時間で高得点を稼ぐスタイルは、シックスマンとして非常に適していました。守備力は特筆すべきものではありませんでしたが、先発出場した試合で50得点をマークするなど、攻撃面ではエースとしても活躍できるほどのポテンシャルを秘めていました。

エピソード：銃を向けられた少年を諭す

シクサーズ時代、ウィリアムズはフィラデルフィア市内を自家用車で運転中、10代の少年に拳銃を向けられるという事件に遭遇しました。ウィリアムズは命の危険を感じたものの、少年を説得し、落ち着かせました。その後、少年を車に乗せて食事をおごったそうです。少年は、銃を向けた相手がウィリアムズだと知り、ウィリアムズがフィラデルフィアで熱心に慈善事業に取り組んでいたことを知っていたため、犯行を思いとどまったと言われています。

ルイス・ウィリアムズは、その得点能力と人間性で、多くのファンを魅了した選手でした。彼の活躍は、NBAの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索