レイトンハウス・CG911

レイトンハウス・CG911

レイトンハウス・CG911は、1991年から1992年にかけて使用されたフォーミュラ1カーです。クリス・マーフィーとグスタフ・ブルナーがその設計を担い、当時のレイトンハウスチームの競技活動を支えました。

CG911の開発背景

CG911は、前年モデルのCG901の後継として開発され、エンジンはジャッドからイルモアに変更されました。ドライバーはイヴァン・カペリとマウリシオ・グージェルミンがメインで起用され、シーズン終盤2戦ではカール・ヴェンドリンガーが加わりました。イルモアは、北米のCARTシリーズでシボレーV8エンジンを制作し、多くの成功を収めた背景を持つメーカーで、そのF1用エンジンは3.5L V10（型式名：LH-10）という新しい設計が施されました。

しかし、初めてのF1用エンジンは期待に反し、信頼性が低く、多くのリタイアが発生しました。入賞はハンガリーGPでのカペリによる6位入賞のみであり、成績は芳しくありませんでした。また、9月にはチーム代表の赤城明が不正融資事件に関与し、チームの資金繰りに大打撃を与えました。これにより、フォーミュラ1活動の継続が困難になり、クリス・マーフィーが他チームに移籍したことで、CG911の進化は止まってしまいました。

CG911Bへの移行

1992年に入り、チーム名はレイトンハウスからマーチに変更され、新たにCG911Bとして改良型を投入しました。ドライバーラインアップは、前年デビューしたヴェンドリンガーと、国際F3000からポール・ベルモンド、それにヤン・ラマース、エマニュエル・ナスペッティが加わりました。しかし、エンジンの信頼性は向上したものの、依然として問題が残り、ヴェンドリンガーはカナダGPで4位入賞を果たしたものの、それ以降は成績が振るわなくなりました。

テクニカルチームの指揮を執っていたブルナーが移籍した影響もあり、成績は低迷しました。カーエアロダイナミクスやシャシーは前年のCG911とほとんど変わらなかったとされ、ドライバーたちは走行データを活用して挑むも、結果は厳しいものでした。資金難がチーム解散の噂を招く中、1993年シーズンのエントリーを試みましたが、チームの姿は開幕戦に現れず、結局マーチはそのまま消滅してしまいました。

成果と成績

レイトンハウス・CG911の1991年の全成績は、コンストラクターズランキング12位、最も評価されたドライバーはカペリで、彼は予選最高位8位、決勝最高位6位を記録しました。1992年はコンストラクターズランキング9位を達成し、ヴェンドリンガーが最高位4位を記録したものの、全体としての成績は伸び悩みました。

最後に、F1という厳しい世界において、レイトンハウス・CG911は技術革新と挑戦の過程を象徴する存在であり、フォーミュラ1における重要な一ページを刻みました。

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