レイブ (音楽)

レイヴの概要

レイヴ（英語: rave）は、主にダンス音楽がメインに流れる大規模な音楽イベントやパーティーを指します。これらのイベントは、通常のクラブイベントとは異なり、一晩中行われることが特徴です。また、レイヴは特定の場所で定期的に開催されるのではなく、屋外や特殊な会場で一度きりのイベントとして行われることが多いです。このような大規模なパーティーとして「レイヴ」という語は、ロンドンのジャマイカ系移民による俗語「revolution live」の略称から派生しました。

歴史的背景

レイヴ文化は1980年代後半のイギリスに起源を持っています。それまで、夜の娯楽は多くがクラブやディスコに限られていましたが、アシッド・ハウスやテクノ音楽の流入、さらにエクスタシーと呼ばれるドラッグの流行により、若者たちの夜遊びに対する考え方は大きく変わりました。この新たな音楽の影響を受けた若者たちは、平凡なナイトクラブにとどまらず、倉庫や廃屋、農場などで無料で楽しめる音楽パーティーを自ら企画し始めました。

初期のレイヴは、口コミによって参加者が募られ、従来のメディアや音楽産業に頼ることなく広まっていきます。こうして次第に、音楽性や楽しさが新たなコミュニティを形成し、多くの若者を引きつける運動に成長しました。この流れは後に世界各国に影響を与えることとなります。

法律的規制と商業化

しかし、レイヴ人気の広がりとともに、使用されるドラッグの増加やそれに起因する社会的問題が懸念されるようになりました。このため、イギリス政府はレイヴを取り締まる目的で「クリミナル・ジャスティス・ビル」を提案しました。この法案により、音楽イベントの規制が強化され、違法パーティーの数も減少を見せます。結果として、合法的に開催される大型パーティーが主流となり、商業化が進展しました。

今でも、アンダーグラウンドのフリー・パーティーやウェアハウス・パーティーは、世界各地で行われ続けており、クラブ音楽の重要な側面となっています。近年のトランス音楽の流行により、一部地域では再度レイヴの盛況も見られる一方、商業目的のイベントへの批判も多いです。現在ではレイヴの定義は多様であり、国や文化によって解釈が異なることがあります。

音楽とファッション

レイヴで流れる音楽は、初期はアシッド・ハウスやテクノが主流でした。アメリカの新興音楽が英国のDJによってプレイされるうちに、次第に地元アーティストもオリジナル音楽を制作するようになります。有名な例として、プロディジーやモービーなどが挙げられます。

ファッション面では、初期のレイヴではカジュアルで自由な服装が重視されました。音楽イベントが屋外で行われることから、多くはドレスダウンしたスタイルが特徴になります。こうした流れは今でもクラブカルチャーに受け継がれています。

レイヴの多様な種類

フリー・パーティー

フリー・パーティーは、最もオリジナルのレイヴに近いスタイルで、人里離れた場所でゲリラ的に行われます。集客は口コミで行い、基本的に開催費用は無料です。

ダンス・フェスティバル

商業的で大規模なフェスティバルも存在し、特に屋外で数日間にわたって行われることが多く、警察の許可のもとで行われます。日本でも
the Gatheringやメタモルフォーゼなど、知名度の高いイベントが数多くあります。

商業レイヴ

有名なDJを呼ぶ商業レイヴも近年独特の人気を誇っています。初心者でも参加しやすい内容で、日本では以下のようなイベントが有名です：WIRE、RAINBOW2000。

薬物問題

イギリスやヨーロッパでは、レイヴでのドラッグ使用が問題視されています。日本でも薬物関連の事件が取りざたされており、2010年代初頭にはレイヴに参加した人々が逮捕される事例が増加しています。

このように、レイヴは文化、音楽、ファッション、そしてドラッグを巡る多様な側面を持つ現象であり、時代とともに変化し続けています。

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