レイヨウ

レイヨウ（アンテロープ）について

レイヨウ、またはアンテロープと呼ばれる動物は、ウシ科に属する多様な種を含むグループです。しかし、「レイヨウ」という言葉は分類学的な名称ではなく、ウシ科のうちウシ族とヤギ亜科を除いた種をおおまかに指す通称として用いられています。そのため、レイヨウと呼ばれる生物群は、互いよりもウシやヤギに近い種も存在します。

レイヨウの特徴

レイヨウは、その種類によって大きさも様々で、小型のものから非常に大型のものまで存在します。共通する特徴としては、

生え変わりや枝分かれのない中空の1対の角を持つ
草食性である
二股に分かれた蹄を持つ
短い尾を持つ

などが挙げられます。また、レイヨウは家畜化された種が含まれておらず、主にアフリカ大陸に生息する種が多いことも特徴です。ウシ族のような大型種や、ヤギ亜科のような頑丈な体格を持つ種と比較して、レイヨウは一般的に軽量で優雅な体つきをしており、細身で美しい四肢を持っています。

多くのレイヨウは、発達した大腿四頭筋を持ち、驚いた際にはその筋力を使って独特の跳躍を見せます。この跳躍によって、一部の種は時速100kmに達する速度で走ることができ、陸上で最速の動物の一つとして知られています。

レイヨウの種類

レイヨウには、約30属90種が存在するとされています。そのうち15属は絶滅の危機に瀕しており、保護の必要性が高まっています。

代表的なレイヨウの種としては、以下のようなものが挙げられます。

ブラックバック：主に異国情緒のある狩猟の対象として、アメリカ合衆国に輸入され、テキサス州で一般的に見られるようになりました。
モウコガゼル：時速80kmで走ることができるレイヨウです。
スニ：南東アフリカに生息する小型のレイヨウで、体高は30-43cmほどです。
シンシンウォーターバック：アフリカに生息するレイヨウで、オスのみが角を持っています。

混血レイヨウについて

動物園などでは、異なる種類のレイヨウ同士が交配し、混血個体が生まれることがあります。これは、飼育環境下において適切な繁殖相手が不足していることなどが原因として考えられます。混血の容易さは、各レイヨウの種がどれくらい近縁であるかを示す指標となります。

混血個体が確認されているレイヨウの組み合わせの例：

イランドとクーズー
オグロヌーとオジロヌー
* ウォーターバックとコーブ

など、多数の例が報告されています。

文化的な側面

レイヨウの角は、多くの地域で医学や魔術の象徴として尊重されています。コンゴでは、魂を閉じ込める力があると信じられています。キリスト教においては、レイヨウの2本の角が、キリスト教徒が持つ2つの霊的な武器（旧約聖書と新約聖書）の象徴として用いられることがあります。また、レイヨウの速く走る能力は、風を連想させることから、風の神と関連付けられることもあります。

アフリカなどでは、レイヨウは食用として利用されており、郷土料理店でその肉を味わうことができます。

もう一度検索