クーズー

クーズー（学名：Tragelaphus strepsiceros）は、偶蹄目ウシ科ブッシュバック属に分類される動物です。クードゥー、クドゥーとも呼ばれることがあります。

分布

クーズーはアフリカに広く分布しており、以下の4つの亜種に分類されます。

ケープクーズー (T. s. strepsiceros)：アンゴラ、ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ共和国に分布。
ケニアクーズー (T. s. bea)：ケニア、タンザニア、モザンビーク、マラウイに分布。
スーダンクーズー (T. s. chora)：エチオピア、スーダン東部、ソマリアに分布。
チャドクーズー (T. s. cottoni)：チャド、中央アフリカ共和国に分布。

形態

クーズーは、オスとメスで大きさが異なります。

体長：オス190-250cm、メス190-220cm
尾長：37-48cm
肩高：オス130-150cm、メス120-140cm
体重：オス190-315kg、メス180-215kg

首から背にかけて鬣状の体毛が伸びています。目の間には三日月状の、頬には2-3個の白い斑紋があります。胴体には白い横縞模様があります。

オスにはねじれた角があり、その長さは100-180cmにもなります。メスにも稀に角が生えることがあります。喉から首にかけては房状の体毛が伸びています。

亜種によって毛色や縞模様の数に違いがあります。

ケープクーズー: オスの胴体は暗灰褐色で、白い横縞は9-10本。
ケニアクーズー: 胴体の毛衣は明褐色で、白い横縞は6-8本。
スーダンクーズー: 胴体の毛衣は暗く、白い横縞は4-5本（不明瞭な横縞を含めると7-8本になる個体もいます）。
チャドクーズー: 胴体の毛衣は淡褐色。

生態

クーズーは、主に丘陵や山地の岩の多い藪地や疎林に生息していますが、平地でも見られます。ペアまたは小規模な群れで生活します。

人間との関係

クーズーは、革がバッグなどの材料として、角が楽器の材料として利用されます。ユダヤ教の角笛であるショファルの主な材料としても知られています。また、南アフリカのサッカーファンが応援に使用するブブゼラの起源は、クーズーの角笛であるとも言われています。

現地では肉も食用として利用されており、そのため密猟が後を絶ちません。ジンバブエの国章には2頭のクーズーがデザインされています。2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会の記念コインにも、開催都市であるムプマランガ州の象徴としてクーズーが描かれています。

アメリカの刃物メーカーであるコールドスチール社の折り畳みナイフには「Kudu」という商品名が付けられています。アフリカでは珍しい動物ではありませんが、日本の動物園では飼育されていないため、日本ではあまり知られていません。

ギャラリー

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参考文献

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外部リンク

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