レインジャー4号

レインジャー4号について

レインジャー4号は、アメリカの宇宙計画であるレインジャー計画の一環として打ち上げられた四番目の宇宙機です。このミッションは、月への衝突を目指しており、その活動には月面の画像データを地球に送信すること、月面には地震計を設置して硬着陸すること、さらには飛行中のガンマ線データを収集し、月面のレーダー反射率の研究を行うことが含まれていました。さらには、惑星間飛行が可能な宇宙機の設計と開発を目指していました。

設計仕様

レインジャー4号は、レインジャー計画のブロック2に属し、事実上レインジャー3号とほぼ同じ設計で製造されました。総重量331kg、全長3.1mのサイズを持ち、65cmの月着陸カプセルはバルサ材を使用して衝撃を吸収するように設計されていました。動力源としては、中間軌道モーターと22.6kNの逆噴射ロケットが搭載され、ソーラーパネルは2枚で展開されると5.2mの長さになる仕様でした。これらのソーラーパネルは8680セルからの電力を供給し、さらにバックアップバッテリーも装備されていました。

また、宇宙機の操作には半導体素子コンピュータやシーケンサ、地球からのコマンドシステムが使われ、高度の制御は陽地センサー、ジャイロスコープ、ピッチロールジェットにより行われました。このように、複数の技術が組み合わさり、宇宙機の運用を支える役割を果たしていました。

実験装置とミッションの概要

レインジャー4号の実験装置には、10秒間に1コマを撮影できるビジコンテレビカメラ、ガンマ線スペクトロメータ、レーダー高度計、さらに地震計などが含まれています。地震計は月面での用途を考慮し、果たすべき機能がありましたが、実際には月に硬着陸する想定で計画されていました。これらの機器は、月面に130-160km/hで衝突しても耐えられるように設計されています。

レインジャー4号のミッションは、アトラス・アジェナによる加速で月遷移軌道に乗せ、月面との衝突を目指すものでした。着陸カプセルは分離される計画でしたが、操縦システムの障害が発生し、必要な操作が遂行されず、軌道修正は行われませんでした。宇宙機は打ち上げから約10時間後に運用が停止し、最終的には1962年4月26日に予定外の位置にて月面に衝突しました。

この宇宙機は、その失敗にもかかわらずアメリカ初の他の天体に到達した探査機となり、今後の宇宙探索の重要な教訓を提供しました。このプロジェクトは、当時の技術の限界を認識し、次のミッションに向けた改善の道を示したのです。レインジャー4号のデータは、将来の月探査や他の天体へのミッションの設計に重要な影響を与えるものとなりました。

結論

レインジャー4号は、宇宙探査の歴史における重要なピースとして記憶されることでしょう。そして、その経験は、後の成功した月探査に向けた貴重なデータとなったのです。

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