レインボータワー

レインボータワー：新潟のシンボル、その歴史と終焉

レインボータワーは、かつて新潟市中央区の万代シテイに存在した、ひときわ目を引く回転昇降式の展望塔でした。1973年の開業以来、その独特な外観と360度見渡せる展望台は、多くの市民や観光客に愛され、新潟のランドマークとして親しまれてきました。

概要

レインボータワーは、万代シテイバスセンターの南側に位置し、万代シテイと共に新潟交通によって運営されていました。高さ100mを誇り、開業当時は県内でも有数の高さを誇る建造物でした。展望施設としては、日本海側でも屈指の高さを誇り、新潟市内にある日本海タワーと並び、人気の展望スポットとして知られていました。

1990年代以降、新潟市内にはレインボータワーを超える高層建築物が次々と建設されましたが、レインボータワーは中心部のランドマークとしての地位を保ち続けていました。

構造

タワーの外観は、頂上が赤く塗られ、その下は虹色に彩られていました。上から順に白、赤、橙、黄、緑、水色、青、群青の8色で構成され、「レインボータワー」の名にふさわしい鮮やかな外観が特徴です。昇降式の展望台は2階建てで、定員は60名。バスセンタービル2階から出発し、約10分かけてゆっくりと回転しながら上昇し、頂上でしばらく停止した後、再び回転しながら下降する構造でした。これにより、利用者は新潟市街を360度見渡すことができました。なお、日本海タワーとは異なり、完全入れ替え制で、1往復ごとに料金が必要でした。

営業内容

営業時間は10:00から18:00までで、夏季やイベント時には延長されることもありました。料金は大人450円、中学生350円、小人300円で、ポイントカードや提携クレジットカードの提示で割引サービスも提供されていました。

東日本大震災の影響と解体

2011年の東日本大震災により、塔体の一部が損傷し、安全確保のため営業が全面休止となりました。耐震診断の結果、倒壊の危険性はないものの、稀な巨大地震発生時には基礎に影響が出る可能性が指摘されました。当初は耐震改修による営業再開も検討されましたが、多額の費用がかかるため断念。2012年2月8日をもって営業終了が公式発表されました。

その後、タワーは当面撤去されずに動態保存措置が取られ、活用方法が検討されました。しかし、2018年5月に隣接するバスターミナルと万代シテイ全体の耐震改修工事が決定したことを受け、同年8月末に解体されることになりました。

解体前には「ありがとうレインボータワー」と題したイベントが開催され、多くのファンに見送られながら、2018年8月26日にその役目を終えました。解体作業の様子は、新潟日報やUX新潟テレビ21、YouTubeなどで配信され、その過程を見守ることができました。

現在

2021年9月、レインボータワーがあった場所には、「なないろガーデン」としてリニューアルした万代シテイ緑地が整備されました。ここには展望台をモチーフにしたモニュメントが設置され、スマートフォンなどでVRによるタワー乗車体験や解体工事の記録映像を閲覧することができます。

その他

同様の形状のタワーとしては、弥彦山ロープウェイ山頂駅付近の「パノラマタワー」や、愛媛県愛南町の「宇和海展望タワー」などが存在します。また、万代シテイの40周年を記念して、レインボータワーのデザインを取り入れたPRキャラクター「ばんにゃい」も誕生しました。

レインボータワーは、その独特な外観と歴史を通して、新潟市民の記憶に深く刻まれています。その姿は失われてしまいましたが、その存在は今もなお、新潟の象徴として語り継がれています。

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