レイヴン (バンド)

レイヴン（RAVEN）

レイヴンはイギリスのヘヴィメタルバンドで、1974年にジョン・ギャラガーとマーク・ギャラガーの兄弟を中心に結成されました。彼らはNWOBHM（ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル）運動の影響を受け、スピードメタルの第一人者として名を馳せており、同じく有名なバンド「ヴェノム」と並ぶ存在として認識されています。このバンドは常に3人組を基本とし、メンバーが流動的である中ようやく固定化され、今の形ができました。

音楽スタイル

レイヴンの音楽は、主にジョン・ギャラガーのハイトーン・シャウトを特徴としており、非常に高揚感のあるヘヴィメタルやパワーメタルを演奏します。スピードへのこだわりも強く、後のスラッシュメタルバンドに多大な影響を与えました。しかし、時には音楽性の迷走もあり、彼らのスタイルとは異なる作品を発表することもありました。ファンからは「レイヴン・ルナティクス」と称されるほど熱烈な支持を受けています。

経歴と発展

初期の活躍 (1974年 - 1987年)

1975年、彼らはニート・レコードと契約し、1981年にアルバム『ロック・アンティル・ユー・ドロップ』でデビューします。続く1982年の『ワイプド・アウト』は、当時としては非常にラウドで速いアルバムとして評価され、この作品がスラッシュメタルの原点とされることもあります。その後のシングル「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」では、アクセプトのウド・ダークシュナイダーが共同プロデューサーとして参加し、さらなる認知度を得ました。

1985年の『ステイ・ハード』はアメリカのビルボードチャートにもランクインしますが、特に兄妹バンドのトゥイステッド・シスターの影響から、音楽性が変化しファンからの反発を受けることになります。これにより、彼らはメジャーレーベルとの関係にストレスを感じ、1987年にリリースされたミニアルバム『MAD』が前の音楽性への回帰の象徴となります。

メンバー交代後の活動 (1987年 - 現在)

1987年、ドラマーのロブ「ワッコ」ハンターが脱退し、ジョー・ハッセルヴァンダーが加入します。新しいアルバム『ナッシング・エクセイズ・ライク・エクセズ』をリリースし、さらなるパワフルなスタイルを確立しましたが、その後の作品ではレイヴンらしさが薄れ、評価も下がります。1994年にはニューアルバム『グロウ』を発表しますが、暗い雰囲気が強調され、ファンの反応も今ひとつでした。

しかし、1995年の日本公演を契機に新たなエネルギーを取り戻し、その様子を記録したライヴアルバム『デストロイ・オール・モンスターズ』も成功を収めます。1997年には、勢いを取り戻した『エヴリシング・ラウダー』を発表し、2000年には作品名をもじった『ワン・フォー・オール』で健在ぶりを示しました。

2009年には『ウォーク・スルー・ファイヤー』をリリースし、2015年には通算13枚目のアルバム『エクスターミネーション』を発表。その後も2020年に『メタル・シティ』をリリースし、活動を続けています。

メンバー

2020年10月現在のラインナップは、ボーカルとベースを担当するジョン・ギャラガー、ギターのマーク・ギャラガー、正式ドラマーのマイク・ヘラーです。彼らは現在も音楽業界でしっかりとした足場を築き続けています。レイヴンの音楽は常に進化し続け、彼らの活動は時代を超えて影響を与え続けることでしょう。

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