レイ・クレメンス

レイ・クレメンス(Raymond Neal "Ray" Clemence MBE、1948年8月5日 - 2020年11月15日)は、イングランドを代表する元サッカー選手であり、ポジションはゴールキーパー(GK)でした。彼の輝かしいキャリアは、リヴァプールFCトッテナム・ホットスパーFCでの活躍、そしてイングランド代表としての貢献によって彩られています。

クレメンスは1967年にリヴァプールFCに入団し、1981年まで在籍しました。この間、彼は通算665試合に出場し、チームの黄金時代を支える中心選手として活躍しました。リヴァプールでは、3度のチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)優勝、5度のリーグ優勝など、数々のタイトルを獲得。その安定したセービングと優れたリーダーシップで、チームを勝利に導きました。リヴァプールに加入する以前は、4部リーグ相当のスカンソープ・ユナイテッドでプレーしていました。リヴァプールでは当初、控えGKでしたが、すぐにその才能を開花させました。

特に1978-79シーズンには、リーグ戦42試合中28回のクリーンシートを達成し、わずか16失点に抑えるという驚異的な記録を打ち立てました。1980-81シーズンのチャンピオンズカップ決勝、レアル・マドリード戦での優勝を最後にリヴァプールを退団。リヴァプール在籍中の約11年間で、リーグ戦の欠場はわずか6試合という記録も、彼の貢献度を物語っています。

1981年、クレメンスはトッテナム・ホットスパーFCに移籍。ここでも1981-82シーズンのFAカップ、1983-84シーズンのUEFAカップ優勝に貢献するなど、その実力を証明しました。1988年に現役を引退。

イングランド代表としては、1980年のユーロで2試合に出場。1982年ワールドカップスペイン大会にも参加し、通算61試合に出場しました。代表での出場機会は、正GKのピーター・シルトンとの兼ね合いもありましたが、それでも長年にわたり代表チームを支え続けました。

引退後は、トッテナム・ホットスパーFCとバーネットFCで監督を務め、その後はイングランド代表のゴールキーパーコーチとして、後進の育成に尽力しました。

2020年11月15日、72歳で逝去。その訃報は、サッカー界に深い悲しみをもたらしました。レイ・クレメンスの名は、リヴァプールの、そしてイングランドサッカーの歴史に永遠に刻まれることでしょう。

主な獲得タイトル

リヴァプールFC
UEFAチャンピオンズカップ: 1976-77, 1977-78, 1980-81
フットボールリーグ・ファーストディヴィジョン: 1972-73, 1975-76, 1976-77, 1978-79, 1979-80
FAカップ: 1973-74
フットボールリーグカップ: 1980-81
FAチャリティ・シールド: 1974, 1976, 1977, 1979, 1980
UEFAカップ: 1972-73, 1975-76
UEFAスーパーカップ: 1977
トッテナム・ホットスパーFC
FAカップ: 1981-82
FAチャリティ・シールド: 1981
UEFAカップ: 1983-84

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