レオン (スペイン)

スペイン古都レオン：歴史と文化、そして美食の街

スペイン北西部、カスティーリャ・イ・レオン州に位置するレオンは、同州の州都であり、中世にはレオン王国の首都として栄えた歴史を持つ都市です。ローマ時代から続く歴史と、中世の面影を色濃く残す街並み、そして現代的な建築物も調和する、多様な魅力を兼ね備えています。

レオンの歴史：ローマ軍団から王国首都へ

レオンの歴史は紀元前1世紀、ローマ軍団の駐屯地として始まりました。その後、西ゴート王国、イスラム勢力による支配を経て、914年にはアストゥリアス王オルドニョ2世によってレオン王国が建国され、首都とされました。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の拠点として栄え、交易や職人技も発展しました。中世には、家畜飼育が経済を支える重要な役割を果たしました。

16世紀以降は経済の衰退期を迎えましたが、1960年代以降は近郊からの移住によって人口が増加。1983年には、近隣のカスティーリャ地方と合併し、カスティーリャ・イ・レオン州が成立しました。レオンは州都としての地位を確立していますが、独自の州設立を目指す動きも根強く残っています。

見どころ：中世建築から現代建築まで

レオンの街には、歴史の深みを感じさせる数多くの建造物が残されています。

レオン大聖堂: レイヨナン式ゴシック様式の傑作で、美しいステンドグラスが有名です。
サン・イシドロ聖堂: レオン王家の霊廟であり、ロマネスク絵画を数多く所蔵しています。
サン・マルコス修道院: 16世紀に建設されたサンティアゴ騎士団の本拠で、現在はパラドール（スペインの高級ホテル）とレオン美術館として利用されています。プラテレスク様式の華麗なファサードが特徴です。
カサ・デ・ボティーネス: アントニオ・ガウディが初期に設計したネオゴシック様式の建物で、現在は銀行として使われています。
カスティーリャ・イ・レオン現代美術館（MUSAC）: マンシージャ＆トゥニョン設計による現代建築で、数千枚のステンドグラスが印象的なファサードが特徴です。
レオン講堂: 同じくマンシージャ＆トゥニョン設計による、白い立方体が特徴的な現代建築です。
ロス・グスマーネス宮殿: 県議会の建物として使用されており、プラテレスク様式のパティオが美しいです。

中世の市壁も一部が残っており、ローマ時代の遺跡も発見されています。歴史と現代が調和した、独特の都市景観が魅力です。

文化と伝統：聖週間の行進と祭

レオンでは、聖週間の礼拝行進が有名で、国内外から多くの観光客が訪れます。特に「面会の礼拝行進」は、聖ヨハネ、聖母マリア、キリストの3つのグループによる壮大な行列です。

聖ヨハネ聖ペトロ祭も盛大に行われ、コンサートや祭り、そして街全体が活気に満ち溢れます。夏の始まりを祝う伝統行事も根付いています。

レオンの美食

レオンの郷土料理もまた、この街の魅力の一つです。

セシーナ（燻製牛肉）
モルシーリャ（血腸）
ボティーリョ（豚の内臓料理）
ニンニクのスープ
レオン風コシード（野菜と肉を煮込んだシチュー）
* マンテカデス（デザート）

これらの料理は、レオンの歴史と文化を反映した、豊かな味わいです。

姉妹都市

レオンは、ポルトガル（ポルト、ブラガンサ）、メキシコ（レオン）、アイルランド（ダブリン）、ロシア（ヴォロネジ）など、世界各地の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

レオンは、歴史、文化、美食、そして人々の温かさを感じることができる、魅力的な都市です。一度訪れて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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