レオン (ニカラグア)

ニカラグアの古都レオン：歴史と文化が息づく世界遺産の街

レオンは、ニカラグアに位置する歴史的な都市であり、レオン県の県庁所在地です。正式名称は「サンティアゴ・デ・ロス・カバジェロス・デ・レオン」ですが、現在ではほとんど使われていません。2021年の人口は約21万2504人で、チキト川沿いに位置し、首都マナグアから北西約80kmの場所にあります。

知的な中心地としてのレオン

マナグアに比べると知名度では劣りますが、レオンは1813年に設立された大学を中心に、国の知的な中心地としての役割を担ってきました。また、工業と商業の面でも重要な拠点となっています。

レオンの歴史

レオンの最初の建設は1524年、フランシスコ・エルナンデス・デ・コルドバによって現在の都市の東20マイルの場所に行われました。しかし、1610年にモモトンボ火山が噴火し、旧レオン市街は深刻な被害を受けました。住民は、さらなる噴火による被害を避けるため、現在の場所への移転を決意しました。

新しい町は、スティアバというアメリカ先住民の町を基盤として建設されました。放棄された旧レオン市街は1960年に発掘され、2000年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

スペイン・コロニアル様式の町並み

現在のレオンには、スペイン・コロニアル様式の優れた町並みが残っています。その代表的なものが、1706年から1740年にかけて建てられたレオン大聖堂です。1746年から1779年には、2本の塔が追加されました。

1839年にニカラグアが中米連邦から脱退した際、レオンはニカラグアの首都となりました。その後、自由党の牙城であるレオンと、保守党の牙城であるグラナダとの間で遷都が繰り返されましたが、1858年に両都市の中間地点であるマナグアを恒久的な首都とする妥協が成立しました。

1950年には、レオンの人口は31,000人に達しました。1956年9月21日には、ニカラグア大統領のアナスタシオ・ソモサ・ガルシアがこの町で銃撃され、後に死亡しました。

伝統・伝説博物館は、1979年のサンディニスタ革命までは悪名高い21番監獄として使われていました。現在でも、町には政治的な壁画などを見ることができます。

レオン・ビエホ遺跡群：世界遺産

17世紀に放棄されたレオンの旧市街の遺跡は、「レオン・ビエホ遺跡群」としてユネスコの世界遺産に登録されています。放棄されたことで、初期のスペイン・コロニアル様式を偲ばせる遺構が良好な状態で保存されています。

登録基準

レオン・ビエホ遺跡群は、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

(3): 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4): 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

姉妹都市

レオンは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ハンブルク (ドイツ)
オックスフォード (イギリス)
ゲティスバーグ (アメリカ合衆国)
ニューヘイブン (アメリカ合衆国)
ユトレヒト (オランダ)
ルンド (スウェーデン)
* アリカンテ (スペイン)

レオンは、その豊かな歴史と文化、そして世界遺産に登録された旧市街の遺跡によって、訪れる人々を魅了し続けています。

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