レオンティエン・ファンモールセル

レオンティエン・ファンモールセル（Leontine Martha Henrica Petronella 'Leontien' van Moorsel、1970年3月22日 - ）は、オランダ・ボーケル出身の元女子自転車競技選手です。彼女はレオンティン・ザイラールト＝ファンモールセル（Leontien Zijlaard-van Moorsel）としても知られ、その功績は広く知られています。

経歴

1980年代後半に自転車競技選手としてのキャリアをスタートさせ、すぐにその才能を開花させました。ジャニー・ロンゴらとオリンピック、世界自転車選手権、グランド・ブークルなどの主要レースで激しい優勝争いを繰り広げ、世界のトップ選手としての地位を確立していきます。彼女が初めてメジャータイトルを獲得したのは、1990年に前橋で開催された世界選手権・トラックレースの3000m個人追い抜きでした。

翌1991年には、世界選手権・個人ロードで初優勝を飾ります。1992年以降は、ライバルであったジャニー・ロンゴらを凌駕する圧倒的な強さを見せ、グランド・ブークルでは92年、93年と連覇を達成するなど、女子中長距離界における第一人者としての地位を確立したかに思われました。しかし、その絶頂期に、彼女の体調に異変が生じ始めます。

1994年頃、ファンモールセルは神経性無食欲症に苦しむことになります。その影響で、一時引退状態にまで追い込まれました。しかし、1995年にマイケル・ザイラールトと結婚したことが転機となり、徐々に体調が回復し、選手として復帰を果たします。

1998年、世界選手権ロードの個人タイムトライアルで優勝し、見事な復活を遂げました。翌1999年の世界選手権でも同種目を制し、その実力を改めて証明しました。そして、2000年シドニーオリンピックでは、圧倒的な強さを見せつけます。

ロード・個人タイムトライアルでは、ジャニー・ロンゴらを圧倒し、優勝。個人ロードでは、ハンカ・クフェルナーゲルらとのスプリント争いを制し、見事ロード二冠を達成しました。さらに、トラックの3000m個人追い抜きでも金メダルを獲得し、なんと同大会で「三冠王」という偉業を成し遂げました。

シドニーオリンピック後も、ファンモールセルの活躍は続きます。3000m個人追い抜きでは世界選手権3連覇を達成。2003年には、アワーレコードを樹立（46.06511 km）し、その実力を世界に示しました。そして、2004年アテネオリンピックでは、ロード個人タイムトライアルで連覇を達成し、有終の美を飾りました。アテネ五輪を最後に、彼女は現役を引退しました。

ファンモールセルは、オランダ スポーツマンオブザイヤーを6回（1990年、1993年、1999年、2000年、2003年、2004年）受賞しています。これは、彼女がオランダにおいて、どれほど国民的な人気を集めていたかを物語るエピソードと言えるでしょう。

公式サイト（オランダ語）

レオンティエン・ファンモールセル - サイクリングアーカイヴス（英語）

レオンティエン・ファンモールセル - Olympedia（英語）

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