レオン自動機

レオン自動機株式会社：食品機械製造のパイオニア

レオン自動機株式会社は、栃木県宇都宮市に本社を構え、食品機械の製造で世界的に知られる企業です。特に、包あん機（自動まんじゅう製造機）とクロワッサン製造機は、国内で高いシェアを誇り、その技術力は国内外で高く評価されています。

レオロジーから生まれた革新的な技術

社名の由来は「レオロジー」。これは、物質の変形と流動に関する学問であり、同社の主力製品である包あん機は、レオロジーの応用によって開発されました。創業者の林虎彦は、和菓子職人としての経験を活かし、独自の技術を確立。食品製造の自動化に大きく貢献しました。

製品紹介

包あん機: レオン自動機を代表する製品。餡を生地で包む工程を自動化し、和菓子製造の効率化に貢献。
火星人®シリーズ: 多彩な食品の成形に対応するシリーズ。高い汎用性と柔軟性で、様々な食品製造現場で活躍。
クロワッサン製造機: クロワッサンの製造を自動化。均一な品質と大量生産を可能にし、ベーカリー業界に革命をもたらしました。

社是・経営理念

レオン自動機は、以下の社是と経営理念を掲げています。

社是: 存在理由のある企業たらん
経営理念:
1. 開発企業であること：独自の技術で、世の中にない機械を開発し、提供する。
2. 国際企業であること：グローバルな視点を持ち、世界中の市場で活躍する。
3. 独立企業であること：どの系列にも属さず、独自の道を歩む。

創業までの道のり：和菓子職人から食品機械メーカーへ

創業者である林虎彦は、元々和菓子職人でした。しかし、職人として働く中で、手作業による大量生産の限界を感じ、「人間にかわって単純作業をしてくれる機械を作りたい」という想いを抱くようになります。

菓匠虎彦の誕生

虎彦は、金沢で「菓匠 虎彦」を創業。和菓子、洋菓子、パンなど、売れるものは何でも作り、その販売エリアは全国に広がりました。しかし、虎彦は職人が手作業で大量の和菓子を作ることへの限界を感じていました。

鬼怒川温泉での再出発

菓匠虎彦は倒産するも、虎彦は諦めませんでした。鬼怒川温泉で「虎彦製菓」を立ち上げ、温泉旅館向けに菓子を製造・販売しながら、包あん機の研究開発に没頭します。図書館で機械工学やレオロジーを学び、図面を引き、鍛冶屋に協力を仰ぎながら、試行錯誤を繰り返しました。

自動包あん機の完成

度重なる試作の末、ついに自動包あん機「R-3型」が完成します。しかし、R-3型は生産能力が高すぎたため、実用化は見送られました。その後も研究を重ね、1963年、本格的な自動包あん機「101型」が誕生。新聞各紙で「夢の機械」と報道され、大きな話題となりました。

レオン自動機株式会社の設立

虎彦は「虎彦製菓」を売却し、1963年3月15日、レオン自動機株式会社を設立。以来、同社は包あん機をはじめとする様々な食品機械を開発・製造し、世界の食文化の発展に貢献しています。

その後の発展

1963年11月には「夢の機械」と報道された包あん機「101型」を発売。その後も、小型化、多機能化を進めた「104型」を発売し、数々の賞を受賞。1965年には東京都千代田区に東京営業所を開設し、海外視察も行い、グローバル展開を加速させました。1966年にはテレビCMにも進出し、知名度を高めました。

1970年には「食品自動成形装置の開発」への功績により、科学技術庁長官賞を受賞。その後も、欧米に研究所を開設するなど、技術開発とグローバル展開を積極的に進めました。1976年にはMMラインを発表。パイ・デニッシュ類の大衆化に貢献し、世界的な大ヒット商品となりました。この技術が、レオン自動機の中核をなす「ストレスフリー®」製法です。

1987年2月20日には、東京証券取引所第二部に上場。2015年8月には、N式包あん機「105型」が日本機械学会の「機械遺産」に登録されました。

テレビ出演

レオン自動機は、その革新的な技術と企業姿勢が評価され、数々のテレビ番組に出演しています。

『これからの中小企業』（NHK教育テレビ）
『ほんものは誰だ!』（日本テレビ）
『シルシルミシルさんデー』（テレビ朝日）
『日経スペシャル 未来世紀ジパング〜沸騰現場の経済学〜』（テレビ東京）
『日経スペシャル カンブリア宮殿』（テレビ東京）

これらの番組では、レオン自動機の技術や歴史、創業者・林虎彦の情熱などが紹介され、多くの視聴者に感銘を与えました。

まとめ

レオン自動機は、和菓子職人から身を起こした林虎彦の革新的な発想と技術によって、食品機械製造の分野で世界をリードする企業となりました。同社の製品は、食品製造の効率化に貢献するだけでなく、食文化の発展にも大きく貢献しています。今後も、レオン自動機は「存在理由のある企業」として、世界中の食を支え続けていくことでしょう。

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