レオ2世 (東ローマ皇帝)

レオ2世は、東ローマ帝国レオ朝の第2代皇帝として、474年に短期間在位しました。彼の生年は正確には不明ですが、一般的には467年頃とされ、474年11月17日に亡くなったとされています。レオ2世は、初代皇帝レオ1世の孫であり、父はゼノン、母はレオ1世の娘アリアドネです。

短い治世

レオ1世の死後、わずか7歳という幼さで皇位を継承したレオ2世でしたが、幼少のため父ゼノンが共同皇帝として政治を取り仕切りました。しかし、レオ2世は即位した同年のうちに病のため亡くなり、その後、父ゼノンが単独の皇帝として即位しました。この短い治世が、彼の生涯に謎を投げかける要因の一つとなっています。

没年齢に関する異説

レオ2世の没年齢については、いくつかの異なる説が存在します。一般的に7歳前後で亡くなったとされていますが、「Chronicon Paschale」という年代記には、17歳で亡くなったと記録されています。しかし、この説はレオ2世の父母の結婚時期や、母アリアドネの生年などから矛盾が生じ、誤りである可能性が高いとされています。

生存説

さらに、レオ2世が474年に亡くなったのではなく、ユスティニアヌス1世の治世（527年 - 565年）まで生き延びたという生存説も存在します。この説は、ゼノンが息子レオ2世を殺そうとしたため、母アリアドネが修道院に隠し、その後も生き続けたというものです。

この生存説を支持する記述は、「Victoris Tonnennensis Episcopi」という年代記に見られます。また、ウィーンのアドンも、ゼノンがレオ2世を殺害しようとしたが、アリアドネが身代わりを用意してレオ2世を救い、彼自身はコンスタンティノープルの教会で聖職者としてユスティニアヌス1世の治世まで生きたと述べています。しかし、これらの物語は伝説的であるとの見方が強く、歴史的な裏付けは乏しいとされています。

生存説の背景

生存説の背景には、レオ2世とアルマトゥスの息子バシリスクスが混同されている可能性が指摘されています。バシリスクスは、476年にカエサルに任じられ、父がゼノンに殺害された後、アリアドネの介入によって救われた人物です。バシリスクスがレオという尊号に改名したことが、レオ2世の生存説に影響を与えた可能性も指摘されています。バシリスクスは、最終的にキュジコスの聖職者となり、ユスティニアヌス1世の治世まで生存したとされています。

まとめ

レオ2世の生涯は、短い在位期間と、その後の様々な説によって、歴史の中で非常に興味深い人物の一人となっています。彼の死に関する謎は解明されていませんが、その存在は東ローマ帝国の歴史において重要な位置を占めています。

参考文献

平木啓一『新・世界貨幣大事典』株式会社PHP研究所、2010年、407頁。ISBN 9784569792286。
Shalev-Hurvitz, Vered (2015). Holy Sites Encircled: The Early Byzantine Concentric Churches of Jerusalem. Oxford.p. 231: Oxford University Press。

関連項目

* レオ朝

もう一度検索