レザー・ジャケッツ

アルバム「レザー・ジャケッツ」について

エルトン・ジョンが1986年にリリースした「レザー・ジャケッツ」は、彼の多彩な音楽キャリアの中で特異な位置を占める作品です。このアルバムは、当時のエルトンの厳しい状況を反映したものであり、商業的にはあまり成功しませんでした。全11曲中6曲は、以前の録音から未収録だったものが含まれており、彼の創作活動が停滞していたことを物語っています。エルトンは後年のインタビューで、当時ドラッグに溺れていたため、これらの時期の記憶がほとんど残っていないと語っています。

アルバムのジャケット裏には、タイトル通り革のジャケットを着たバンドメンバーの姿が写し出されています。このビジュアルは、アルバム全体のテーマやエルトンのスタイルを象徴しています。

「レザー・ジャケッツ」には、エルトン自身のソロ曲に加え、シェールとの共作である「ドント・トラスト・ザット・ウーマン」や、クリフ・リチャードとのデュエット曲「スロー・リヴァー」など、他アーティストとのコラボレーションが含まれています。これにより、アルバムに様々な音楽的要素がもたらされています。

また、エルトンの音楽キャリアの中で、このアルバムだけは後の音源リマスターが行われなかったことも特徴的です。CDでの再発も他の作品に比べて遅れ、ファンの間で話題にあがることが多い作品となっています。

収録曲

• - レザー・ジャケッツ
• - 真実の炎 - Hoop of Fire
• - ドント・トラスト・ザット・ウーマン - Don't Trust That Woman
• - ゴー・イット・アローン - Go It Alone
• - ジプシー・ハート - Gypsy Heart
• - スロー・リヴァー - Slow Rivers (with クリフ・リチャード)
• - ハートエイク - Heartache All Over the World
• - アンジェリーヌ - Angeline
• - メモリー・オブ・ラヴ - Memory of Love
• - パリの恋 - Paris
• - アイ・フォール・アパート - I Fall Apart

作詞・作曲陣

本アルバムの歌詞は、主にバーニー・トーピンが手掛けています。シェールとの共作がある3曲目や、ゲイリー・オズボーンによる曲も収められています。曲作りについてはエルトン・ジョンが中心となり、他のアーティストとのコラボレーションも見られます。

参加ミュージシャン

エルトン・ジョンは、ボーカルとピアノを担当し、その他にも豪華なメンバーが参加しています。デイビー・ジョンストンは多様なギターを演奏し、チャーリー・モルガンがドラムを担当しました。また、フレッド・マンデル、ジェイムズ・ニュートン・ハワードなど、多彩な楽器奏者が名を連ねています。

制作

このアルバムのプロデューサーはガス・ダッジョンが担当し、そのアートディレクションはデヴィッド・コスタが手がけました。制作過程には多くの才能あるスタッフが関わり、個性的な一枚に仕上がっています。音楽の歴史において、エルトン・ジョンの「レザー・ジャケッツ」は単なるアルバム以上の意味を持ち、彼の芸術性と苦悩を深く理解できる作品となっています。

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