レスクヴァ

レスクヴァ：雷神トールの召使い

レスクヴァ（ロスクヴァとも呼ばれる）は、北欧神話に登場する女性です。主に『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』でその存在を確認できます。彼女は、雷神トールの召使いとして知られるシャールヴィの妹にあたります。

レスクヴァの物語は、兄シャールヴィとの関連において語られることが多いです。トールがシャールヴィの家族のもとを訪れた際、トールが屠殺した山羊、タングリスニとタングニョーストの骨をシャールヴィが不注意で傷つけてしまったことが発端となります。

この山羊は、トールの力によって生き返る性質を持っていました。しかし、シャールヴィの行為によって生き返った山羊は、以前のように自由に歩くことができなくなりました。この過ちに対する償いとして、シャールヴィとレスクヴァは、トールの召使いとなることを強いられました。

その後、レスクヴァとシャールヴィは、トールとロキと共に、ウートガルザ・ロキの館へと旅をすることになります。ウートガルザ・ロキは、霜の巨人であり、その館では様々な冒険が待ち受けていました。兄のシャールヴィについては、いくつかのエピソードが語られていますが、レスクヴァに関しては、物語における描写は比較的少ないのが現状です。

彼女の役割は、主に兄シャールヴィとの対比の中で理解されます。シャールヴィの物語を通して、レスクヴァはトールの召使いとしての立場や、兄と共に困難な旅を共にした女性として、北欧神話の世界に存在感を示しています。

限られた情報ながら、レスクヴァは、北欧神話の登場人物として、トールとその周囲の人間関係、そして神々と巨人の対立といった、神話における重要なテーマを理解する上で、無視できない存在と言えるでしょう。兄シャールヴィの物語と合わせて考察することで、レスクヴァの役割や、彼女を取り巻く状況をより深く知ることができます。

今後の研究によって、より多くの情報が明らかになる可能性も秘めており、北欧神話研究において重要な存在として、レスクヴァは注目に値する人物です。彼女に関する更なる情報や解釈は、北欧神話研究の進展に委ねられています。

参考文献

* V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。

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