レスリー・ウェスト

レスリー・ウェスト：伝説のギタリストの軌跡

レスリー・ウェスト（Leslie West、1945年10月22日 - 2020年12月23日）は、アメリカ合衆国出身のギタリスト、ヴォーカリストであり、ロック音楽史に名を刻む人物です。

生い立ちと音楽への目覚め

ニューヨークのフォレスト・ヒルズで生まれたウェストは、幼少期にエルヴィス・プレスリーのパフォーマンスを見て音楽に心を奪われます。最初に手にした楽器はウクレレでしたが、すぐにギターに転向し、その才能を開花させていきました。

ヴァグランツでの活動

1960年代中期、ウェストはヴァグランツというバンドで活動を開始します。1967年には、フェリックス・パパラルディの推薦によりアトコ・レコードと契約。パパラルディが提供・プロデュースした楽曲をリリースし、オーティス・レディングの「リスペクト」のカバーは東海岸でローカルヒットとなりました。

マウンテンの結成と成功

1969年、パパラルディのプロデュースによるデビュー・アルバム『マウンテン』を発表。このアルバムはBillboard 200で72位を記録し、ウェストの才能を広く知らしめることになります。同年、ウェストはパパラルディ（ベース、ヴォーカル）、N.D.スマート（ドラムス）、スティーヴ・ナイト（キーボード）と共にマウンテンを結成。7月にフィルモア・ウェストでライブデビューを果たし、8月には伝説のウッドストック・フェスティバルに出演します。その後、コーキー・レイング（ドラムス）を迎え、1970年にデビュー・アルバム『勝利への登攀』を発表。シングルカットされた「ミシシッピー・クイーン」は全米21位の大ヒットとなり、マウンテンは一躍トップバンドの仲間入りを果たしました。

マウンテン解散後の活動

1972年1月、マウンテンは解散。ウェストはレイング、ジャック・ブルース（ベース、ヴォーカル）とウェスト、ブルース&レイング（WBL）を結成し、アルバムを2枚リリースしますが、短期間で活動を停止します。その後、ウェストはミッチ・ライダーとLeslie West and The Wild West Showを結成し、コンサート活動を行いました。1973年8月には、パパラルディとマウンテンを再結成し、日本公演も行っています。

ソロ活動とマウンテンの再々結成

マウンテンは再結成と解散を繰り返し、ウェストはソロ活動も精力的に行いました。1975年にはソロ・アルバム『華麗なるファツビー』を発表し、ミック・ジャガーやキース・リチャーズらと共作した楽曲も収録されています。1980年代にはレイングと共にマウンテンの再結成を計画し、アルバムも発表しましたが、短期間で終わりました。その後もソロ活動を主体としつつ、マウンテンも断続的に再結成しています。

他アーティストとの交流

ウェストは、ビリー・ジョエルのアルバム『リヴァー・オブ・ドリームス』（1993年）でギターを演奏、ジョー・リン・ターナーのカバー・アルバムでマウンテンの「ミシシッピー・クイーン」に参加するなど、他のミュージシャンの作品にも積極的に参加しました。

晩年

2011年に糖尿病の合併症で右足を切断するという困難に見舞われましたが、その後も音楽活動を継続。スラッシュ、ビリー・ギボンズ、ザック・ワイルド、スティーヴ・ルカサー等をゲストに迎えたソロ・アルバムを発表し、ライブ活動も再開させました。2020年12月、心停止により75歳で逝去。

レスリー・ウェストは、その独特なギターサウンドと圧倒的な存在感で、多くの音楽ファンを魅了し続けました。彼の音楽は、これからもロック史に輝き続けるでしょう。

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム

マウンテン - Mountain（1969年）
華麗なるファツビー - The Great Fatsby（1975年）
レスリー・ウエスト・バンド参上 - The Leslie West Band（1976年）
Theme（1988年）
アリゲーター - Alligator（1989年）
Night of the Guitar- Live!（1989年）
Live（1993年）
ダッジン・ザ・ダート - Dodgin' the Dirt（1994年）
As Phat as it Gets（1999年）
Blues to Die For（2003年）
Guitarded（2005年）
Got Blooze（2005年）
Blue Me（2006年）
Unusual Suspects（2011年）
Still Climbing（2013年）
Soundcheck（2015年）

マウンテン

ウェスト、ブルース&レイング

ホワイ・ドンチャ - Why Dontcha（1972年）
ホワットエヴァー・ターンズ・ユー・オン - Whatever Turns You On（1973年）
* ライヴ・ン・キッキン - Live 'n' Kickin'（1974年)

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