レスリー・トンプソン (ミュージシャン)

レスリー・アンソニー・ジョセフ・トンプソンの生涯

レスリー・アンソニー・ジョセフ・トンプソン（1901年10月17日 - 1987年12月26日）は、ジャマイカのキングストンで生まれた著名なジャズ・トランペット奏者です。1929年にイングランドへ移り、ロンドンで生涯の大半を過ごしました。

音楽の初期教育と軍楽隊での経験

トンプソンは、幼少期からローマ・カトリック系のアルファ・コテージ・スクールで音楽を学びました。音楽の才能を早くから育む中で、彼は16歳の時に西インド連隊に入隊し、その後は軍楽隊の一員としてキングストンの映画館などで演奏を行いました。1929年にはイングランドに渡り、ネラー・ホール（王立軍楽学校）で学びましたが、当時の規則により黒人が士官になることは許されず、軍楽隊長としての道は開かれませんでした。

バンド活動と演奏スタイル

1930年代、トンプソンはスパイク・ヒューズのバンドに参加し、トランペットやトロンボーン、ダブル・ベースを演奏しました。1934年から1935年にかけては、ルイ・アームストロングと共にヨーロッパツアーを行い、その後は黒人だけから成るバンドを結成しましたが、初期には白人トロンボーン奏者がブラックフェイスで演じていました。このバンドは、ケン・スネイクヒップス・ジョンソンの支援を受けましたが、最終的にはジョンソンがこのバンドを引き継ぐこととなりました。

当時、ジャイヴァー・ハッチンソンというサイドマンとも活動しており、彼との共演はトンプソンの音楽スタイルに影響を与えました。さらに、1936年から1937年にはベニー・カーターのバンドで演奏し、1930年代の終わりにはエドムンド・ロスの下でダブル・ベースを担当していました。

戦争とその後の活動

第二次世界大戦中、トンプソンは王立砲兵隊の一員として軍務に就きましたが、大戦後はダンスホールやナイトクラブでの演奏活動にフォーカスしました。1954年以降は音楽活動から退き、保護観察官として新たなキャリアを築きました。

影響と自叙伝

トンプソンは、マーカス・ガーベイからの影響を受けたイングランド国教会の信徒であり、彼の音楽活動にはその影響が色濃く表れています。彼の自叙伝はジェフリー・グリーンによって編集され、1985年にラビット・プレスから初版が出版されました。2009年には『Swing from a Small Island - The Story of Leslie Thompson』という題で再刊され、この本は多くの人々にとって貴重な学びの素材とされています。クリス・シールは『Morning Star』紙上で「トンプソンの物語は、読むべき、学ぶべき、記憶に留めておくべきものである」と評価しました。

彼の音楽的貢献は今なお忘れられることはなく、その生き様は多くの次世代のミュージシャンたちに影響を与え続けています。

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