レッスルマニア2000

レッスルマニア2000は、2000年4月2日、当時のWWF（現WWE）が開催した、プロレスの祭典です。この大会は、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンとジ・アンダーテイカーという、WWFを代表する2人のトップ選手が怪我のため欠場した、異例のレッスルマニアとなりました。

その結果、トリプルHやビッグ・ショーといった選手たちが、初めてレッスルマニアのメインイベントを飾ることになりました。特にアンダーテイカーにとっては、レッスルマニアでの2度目の欠場となりました。

しかし、この大会は選手たちの欠場によって影が差したわけではありませんでした。むしろ、歴史に残る革新的な試合と、衝撃的な結末によって、忘れられないレッスルマニアとなりました。

まず注目すべきは、史上初のトリプルラダーマッチです。ダッドリー・ボーイズ、ハーディー・ボーイズ、そしてエッジ&クリスチャンの3チームによるWWFタッグ王座を賭けたこの試合は、その後のプロレス界に大きな影響を与えました。

WWEが後に発売したレッスルマニアXXのDVD特典では、WWEのスーパースターたちが選ぶレッスルマニア名勝負トップ10にランクイン。2位という高い評価を得ました。プロレスリング・イラストレーテッド紙も、この試合を2000年度の年間最高試合に選出するなど、その高い評価は専門家の間でも一致していました。このトリプルラダーマッチは、後のTLCマッチという、人気シリーズへと発展していきます。

そして、メインイベント。WWF王座を賭けたフェイタル4ウェイ・エリミネーションマッチでは、トリプルH、ザ・ロック、ミック・フォーリー、ビッグ・ショーの4人が激突しました。試合終盤、突如としてビンス・マクマホンがザ・ロックを裏切り、トリプルHを援護するという衝撃的な展開が待っていました。

このビンス・マクマホンの裏切り行為により、トリプルHが勝利。レッスルマニアのメインイベントでヒール（悪役）の選手が勝利したのは、これが初めてのことでした。この結果は、レッスルマニア史上初の「バッドエンディング」として、ファンの間で大きな話題を呼びました。

さらに、この大会では、他の試合も記憶に残るものばかりでした。ハードコア王座戦は15分間のバトルロイヤル形式。ビッグ・ボスマン&ブル・ブキャナン対ザ・ゴッドファーザー&ディーロ・ブラウンのタッグマッチなど、多彩な試合が展開されました。

オープニングでは、リリアン・ガルシアが星条旗を独唱。アメリカらしい演出も、この大会を盛り上げました。

怪我による欠場というアクシデントを乗り越え、革新的な試合形式と衝撃的な結末で記憶に残る大会となったレッスルマニア2000。トップ選手の不在を感じさせないほどの盛り上がりを見せ、プロレスの歴史に新たな1ページを刻んだと言えるでしょう。

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