レッスルマニアXXVIII

レッスルマニアXXVIII：プロレス史に残る伝説の一夜

2012年4月1日、フロリダ州マイアミのサンライフ・スタジアムで、プロレス団体WWEによる年間最大の祭典、レッスルマニアXXVIIIが開催されました。この大会は、その規模、興行収入、そして歴史に残る名勝負の数々によって、プロレス史に燦然と輝く金字塔となりました。

記録的成功を収めた大会

レッスルマニアXXVIIIは、3度目となる屋外開催ということもあり、世界36カ国と全米50州から78,363人の観客を集めました。チケット売上は890万ドルに達し、これは2009年のレッスルマニアXXVを上回るプロレス史上の最高記録です。さらに、PPV（ペイパービュー）は105カ国、20言語で放送され、130万件もの購入数を記録。これもWWE史上最高を更新しました。入場料収入、グッズ売上、PPV売上などを合わせた興行収入は、驚異の6700万ドルにのぼりました。

会場を盛り上げた演出にも注目です。花火（パイロテクニクス）には約50万ドルが費やされ、オープニングではリリアン・ガルシアによる「星条旗よ永遠なれ」の独唱、リングアナウンスはジャスティン・ロバーツが担当しました。メインイベントを彩るため、マシン・ガン・ケリーとフロー・ライダーがそれぞれ生演奏でジョン・シナ、ザ・ロックの入場を盛り上げました。

各試合の見どころ

大会では、数々のタイトルマッチや注目カードが展開されました。

世界ヘビー級王座戦: チャンピオンのダニエル・ブライアンと、ロイヤルランブル優勝者シェイマスによる激突。シェイマスの乱入から始まったこの抗争は、レッスルマニアでその決着を迎えます。
WWEインターコンチネンタル王座戦: コーディ・ローズとビッグ・ショーの一戦。ビッグ・ショーの勝利は、彼をWWE史上12人目のグランドスラム達成者へと導きました。
ヘル・イン・ア・セルマッチ: ジ・アンダーテイカーとトリプルHによる三度目の対決。 ショーン・マイケルズをレフェリーに迎え、"一時代の終焉"と謳われたこの試合は、彼らのキャリアを象徴する死闘となりました。屋外会場のため、特別な構造のセルが使用された点も注目です。
WWE王座戦: チャンピオンCMパンクとクリス・ジェリコの対戦。ジェリコによるCMパンクへの心理攻撃が、試合の展開に大きな影響を与えました。
* 12人タッグチームマッチ: RAWとSmackDown!のGMの座を懸けた、大規模なタッグマッチ。チーム・ジョニーの勝利により、ジョン・ロウリネイティスが両番組のGMに就任しました。

レッスルマニアの象徴：ザ・ロック vs ジョン・シナ

大会最大の注目カードは、ザ・ロックとジョン・シナの対戦でした。この試合は、「ワンス・イン・ア・ライフタイム（一生に一度）」と銘打たれ、1年間にわたる壮絶な抗争の結末を飾るものとなりました。

ザ・ロックのWWE復帰から始まったこの対決は、WWE番組上だけでなく、Twitterなどを通じて両者のファンが巻き込まれる大規模な抗争へと発展しました。"Team Bring It" 対 "Cenation" と呼ばれたこの対立は、レッスルマニアXXVIIIの成功に大きく貢献しました。

試合は、10年前のレッスルマニア18でのザ・ロック対ホーガンを彷彿とさせる、力比べと打撃が中心の展開となりました。シナによる執拗な攻撃に対し、ザ・ロックはスタミナと負傷を乗り越え、最後はピープルズ・エルボーを模倣したシナをカウンターのロックボトムで仕留め、勝利を収めました。

レッスルマニアXXVIIIは、記録的な成功を収めただけでなく、プロレス史に残る名勝負の数々を生み出した、まさに伝説の大会でした。

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