レットキス

レットキス：フィンランド発祥の国民的フォークダンスと、日本での大ヒット

「レットキス」(Letkis)は、フィンランドの伝統的な民謡であり、それに合わせたジェンカ（フィンランドのフォークダンス）です。日本では「レッツキス」や「レットキッス」などとも呼ばれ、コロブチカやオクラホマミキサーと並ぶ、最も有名なフォークダンスとして親しまれています。

[作曲]]はラウノ・レティネン氏。1960年代にフィンランドで流行したこの曲は、「列になって踊ろう」という意味を持つフィンランド語で、レトカイェンッカ(Letkajenkka)や[[ジェンカ]とも呼ばれています。

踊り方：シンプルで覚えやすいステップ

レットキスの踊りは非常にシンプルです。列になって踊り、後ろの人は前の人の腰か肩を軽く掴んで列を作ります。基本ステップは以下の通りです。

1. 左足を右斜め前に出し、戻す（2回繰り返す）
2. 右足を左斜め前に出し、戻す（2回繰り返す）
3. 前方へジャンプして1歩進む
4. 後方へジャンプして1歩下がる
5. 前方へジャンプして3歩進む

この「左足・左足、右足・右足、前、後、前・前・前」のステップを繰り返します。ゲームとして行う際には、曲が止まった時に先頭同士がじゃんけんを行い、負けた方が列の後ろに移るというルールもあります。最後に列が1本になった人が勝者となります。

日本におけるレットキス：坂本九の大ヒットと、世代を超えた人気

日本では1965年、なかにし礼氏の訳詞で青山ミチさんが歌った「レットキス (Let Kiss)」がレコード発売されました。しかし、広く知られるようになったのは、1966年に坂本九さんが永六輔氏の作詞でカバーした「レット・キス （ジェンカ）」がきっかけです。

この坂本九バージョンは、発売後すぐに大ヒットし、60万枚を超える売上を記録しました。1967年5月には60万枚突破記念パーティが開催され、坂本九さんにとっても久々の大ヒットとなりました。同年大晦日の第17回NHK紅白歌合戦でも、「レッツ・キス」として歌唱されました。

その後も、橋幸夫さんやザ・ビートガールズなど多くのアーティストがカバーし、様々なアレンジで歌い継がれています。また、映画やテレビCMなどでも使用され、世代を超えて愛される曲となっています。特に、2008年の映画「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」での使用は、印象的なシーンとして多くの視聴者に記憶されています。

ラジオ番組とCMでの使用：意外な一面

1983年から1985年にかけて、ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』で、鴻上尚史さんが番組終了後に日比谷公園でリスナーと共にレットキスを踊っていたという逸話も残っています。

また、その知名度の高さから、多くのテレビCMでも使用されてきました。日立の電子レンジ「ククレット」のCMや、サントリー冷撰洋酒のCM、JR西日本のCM、たかの友梨ビューティクリニックのCMなど、様々な企業のCMでレットキスの楽曲や替え歌が使用されています。

レットキスの魅力：シンプルさと親しみやすさ

レットキスの魅力は、なんといってもそのシンプルさと親しみやすさです。覚えやすく、誰でも簡単に踊れることから、世代や国境を超えて愛されています。フィンランド発祥の伝統的なフォークダンスでありながら、日本においても独自の進化を遂げ、文化として定着していると言えるでしょう。フィンランドと日本の文化交流の一端を担う楽曲として、今後も長く愛され続けることでしょう。

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