レット・ミー・ビー・ゼア (アルバム)
オリビア・ニュートン＝ジョンの初期のキャリアにおいて、『レット・ミー・ビー・ゼア』というタイトルのアルバムは、特に北米市場での飛躍に大きく貢献した重要な作品です。しかし、このアルバムは単一のものではなく、複数の国やレーベルから、発売時期や収録内容が異なるいくつかのバージョンが存在するという複雑な側面を持っています。共通しているのは、グラミー賞受賞曲であるタイトルチューン「レット・ミー・ビー・ゼア」が全てのバージョンに収録されている点のみです。米国盤では、ブルース・ウェルチ、ジョン・ファーラー、アラン・ホークショーらがプロデューサーを務めました。
まず、母国イギリスでは1973年に、パイ・インターナショナルから『ミュージック・メイクス・マイ・デイ（Music Makes My Day）』というタイトルのアルバムが発売されました。このバージョンは、オリビアのために特別に書かれた「レット・ミー・ビー・ゼア」や、彼女自身の作曲による「ローズウォーターの家」を含んでいますが、その他の収録曲は主にカバー曲で構成されていました。代表的なカバーとしては、「カントリー・ロード（Take Me Home, Country Roads）」や「アムルーズ（恋人）（Amoureuse）」などが挙げられます。
一方、アメリカ合衆国やカナダでは、同じく1973年にMCAレコードから『Let Me Be There』と題されたアルバムがリリースされました。この米国盤は、1972年の英国盤アルバム『オリビア（Olivia）』のジャケットデザインを流用しているのが特徴です。内容は、それまでに米国で未発表だった初期のアルバム『イフ・ノット・フォー・ユー（If Not for You）』や『オリビア』、そして前述の英国盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』からの楽曲を編集したコンピレーション盤となっていました。収録曲の中には、「レット・ミー・ビー・ゼア」の他、「ミー・アンド・ボビー・マギー（Me and Bobby McGee）」、「バンクス・オブ・ザ・オハイオ（Banks of the Ohio）」、「イフ・ノット・フォー・ユー（If Not for You）」といった、オリビアの初期を代表するヒット曲や人気曲が含まれています。「レット・ミー・ビー・ゼア」は、ポップ・チャートで最高6位、カントリー・チャートで7位、アダルトコンテンポラリー（AC）チャートで3位を記録するなど、大きな成功を収めました。また、「バンクス・オブ・ザ・オハイオ」や「イフ・ノット・フォー・ユー」も各チャートで健闘しています。
オーストラリアでは、1974年にフェスティバル・レコードから『Let Me Be There』としてアルバムが発売されました。このオーストラリア盤は、英国盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』と全く同じ収録内容、そしてほぼ同じジャケットデザイン（タイトル表記が異なるのみ）という仕様でした。
日本においても、アルバム発売の歴史はやや複雑です。1971年のデビューアルバム『イフ・ノット・フォー・ユー』以降、しばらくアルバムの日本盤リリースは見送られていましたが、1974年にレーベルが東芝EMIに移ったのを機に、新譜『とこしえの愛（Long Live Love）』に続いて、過去4枚のアルバム（『Olivia Newton-John』、『Olivia』、『Music Makes My Day』、そして『If You Love Me, Let Me Know』）から選曲された「ベスト・アルバム」として『レット・ミー・ビー・ゼア』が登場しました。この日本盤は、タイトルこそ米国盤やオーストラリア盤と同じ『レット・ミー・ビー・ゼア』ですが、ジャケットデザインは英国盤やオーストラリア盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』と共通のものが採用されました。そして、収録曲の内容は、後述する英国/オーストラリア盤の編集盤『First Impressions』と同一になっています。
英国及びオーストラリアでは、日本盤と同年の1974年に、EMIやFestival Recordsから『First Impressions』というタイトルで新たな編集盤が発売されました。この盤の収録曲は日本の『レット・ミー・ビー・ゼア』と全く同じですが、タイトルやジャケットは異なります。オーストラリアでは、この『First Impressions』がオリビアにとっての最初の「グレイテスト・ヒッツ」アルバム（Vol.1）として位置づけられました。
これらの複数のバージョンを比較すると、特に英国盤/オーストラリア盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』/『Let Me Be There』と、米国盤『Let Me Be There』の間では、「レット・ミー・ビー・ゼア」と「カントリー・ロード」のわずか2曲しか共通していないという興味深い事実がわかります。
このアルバム、特に米国盤の成功の背景には、タイトル曲「レット・ミー・ビー・ゼア」の爆発的なヒットがありました。この曲は、その後の活躍を象徴するようにグラミー賞の最優秀女性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。イギリスでは期待されたほどの商業的な成功は得られませんでしたが、アメリカではオリビアにとって初のビルボード・トップ10ヒットとなり、それまで「イフ・ノット・フォー・ユー」でトップ40入りを経験していた彼女の北米における歌手活動を、一気に加速させる起爆剤となりました。
アルバム自体（米国盤）も大きな反響を呼び、1974年にはRIAAからゴールドディスクに認定されました。ビルボードのポップ・アルバム・チャートでは最高54位にランクインしましたが、特筆すべきはカントリー・アルバム・チャートで2週連続の首位を獲得したことです。これは、オリビアがカントリー界でも高く評価され、幅広いジャンルのファンを獲得していたことを示しています。
このように、『レット・ミー・ビー・ゼア』は単なるアルバムではなく、オリビア・ニュートン＝ジョンの国際的な成功、特に北米でのブレイクを象徴する、複数の顔を持つ作品として、彼女のディスコグラフィにおいて極めて重要な位置を占めています。
まず、母国イギリスでは1973年に、パイ・インターナショナルから『ミュージック・メイクス・マイ・デイ（Music Makes My Day）』というタイトルのアルバムが発売されました。このバージョンは、オリビアのために特別に書かれた「レット・ミー・ビー・ゼア」や、彼女自身の作曲による「ローズウォーターの家」を含んでいますが、その他の収録曲は主にカバー曲で構成されていました。代表的なカバーとしては、「カントリー・ロード（Take Me Home, Country Roads）」や「アムルーズ（恋人）（Amoureuse）」などが挙げられます。
一方、アメリカ合衆国やカナダでは、同じく1973年にMCAレコードから『Let Me Be There』と題されたアルバムがリリースされました。この米国盤は、1972年の英国盤アルバム『オリビア（Olivia）』のジャケットデザインを流用しているのが特徴です。内容は、それまでに米国で未発表だった初期のアルバム『イフ・ノット・フォー・ユー（If Not for You）』や『オリビア』、そして前述の英国盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』からの楽曲を編集したコンピレーション盤となっていました。収録曲の中には、「レット・ミー・ビー・ゼア」の他、「ミー・アンド・ボビー・マギー（Me and Bobby McGee）」、「バンクス・オブ・ザ・オハイオ（Banks of the Ohio）」、「イフ・ノット・フォー・ユー（If Not for You）」といった、オリビアの初期を代表するヒット曲や人気曲が含まれています。「レット・ミー・ビー・ゼア」は、ポップ・チャートで最高6位、カントリー・チャートで7位、アダルトコンテンポラリー（AC）チャートで3位を記録するなど、大きな成功を収めました。また、「バンクス・オブ・ザ・オハイオ」や「イフ・ノット・フォー・ユー」も各チャートで健闘しています。
オーストラリアでは、1974年にフェスティバル・レコードから『Let Me Be There』としてアルバムが発売されました。このオーストラリア盤は、英国盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』と全く同じ収録内容、そしてほぼ同じジャケットデザイン（タイトル表記が異なるのみ）という仕様でした。
日本においても、アルバム発売の歴史はやや複雑です。1971年のデビューアルバム『イフ・ノット・フォー・ユー』以降、しばらくアルバムの日本盤リリースは見送られていましたが、1974年にレーベルが東芝EMIに移ったのを機に、新譜『とこしえの愛（Long Live Love）』に続いて、過去4枚のアルバム（『Olivia Newton-John』、『Olivia』、『Music Makes My Day』、そして『If You Love Me, Let Me Know』）から選曲された「ベスト・アルバム」として『レット・ミー・ビー・ゼア』が登場しました。この日本盤は、タイトルこそ米国盤やオーストラリア盤と同じ『レット・ミー・ビー・ゼア』ですが、ジャケットデザインは英国盤やオーストラリア盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』と共通のものが採用されました。そして、収録曲の内容は、後述する英国/オーストラリア盤の編集盤『First Impressions』と同一になっています。
英国及びオーストラリアでは、日本盤と同年の1974年に、EMIやFestival Recordsから『First Impressions』というタイトルで新たな編集盤が発売されました。この盤の収録曲は日本の『レット・ミー・ビー・ゼア』と全く同じですが、タイトルやジャケットは異なります。オーストラリアでは、この『First Impressions』がオリビアにとっての最初の「グレイテスト・ヒッツ」アルバム（Vol.1）として位置づけられました。
これらの複数のバージョンを比較すると、特に英国盤/オーストラリア盤『ミュージック・メイクス・マイ・デイ』/『Let Me Be There』と、米国盤『Let Me Be There』の間では、「レット・ミー・ビー・ゼア」と「カントリー・ロード」のわずか2曲しか共通していないという興味深い事実がわかります。
このアルバム、特に米国盤の成功の背景には、タイトル曲「レット・ミー・ビー・ゼア」の爆発的なヒットがありました。この曲は、その後の活躍を象徴するようにグラミー賞の最優秀女性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。イギリスでは期待されたほどの商業的な成功は得られませんでしたが、アメリカではオリビアにとって初のビルボード・トップ10ヒットとなり、それまで「イフ・ノット・フォー・ユー」でトップ40入りを経験していた彼女の北米における歌手活動を、一気に加速させる起爆剤となりました。
アルバム自体（米国盤）も大きな反響を呼び、1974年にはRIAAからゴールドディスクに認定されました。ビルボードのポップ・アルバム・チャートでは最高54位にランクインしましたが、特筆すべきはカントリー・アルバム・チャートで2週連続の首位を獲得したことです。これは、オリビアがカントリー界でも高く評価され、幅広いジャンルのファンを獲得していたことを示しています。
このように、『レット・ミー・ビー・ゼア』は単なるアルバムではなく、オリビア・ニュートン＝ジョンの国際的な成功、特に北米でのブレイクを象徴する、複数の顔を持つ作品として、彼女のディスコグラフィにおいて極めて重要な位置を占めています。
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