レッドゴッド

レッドゴッド (1954年 - 1979年) は、アメリカ合衆国で誕生したサラブレッドの競走馬です。競走馬としての成績は目覚ましいものではありませんでしたが、種牡馬として類まれな成功を収め、現代競馬の歴史に名を刻む存在となりました。

グッゲンハイムの牧場で生まれたレッドゴッドは、幼駒の頃にイギリスへ送られ、セシル・ボイド＝ロックフォート調教師の指導の下で競走生活を始めました。2歳時にはグッドウッド競馬場のリッチモンドステークスを制覇するなど、才能の片鱗を見せました。その後、3歳時にはアメリカへ渡り、4歳まで競走生活を続けました。アメリカでの活躍はイギリス時代ほど目覚ましくありませんでしたが、ローズベンハンデキャップを含む4勝を挙げ、一定の成功を収めて引退しました。

1960年、レッドゴッドはアイルランドのロートンスタッドで種牡馬としてのキャリアをスタートさせます。競走馬時代とは対照的に、種牡馬としては驚異的な成功を収めました。その成功の要因の一つとして、父ナスルーラ譲りの荒々しい気性が挙げられます。この気性は多くの産駒に遺伝し、時に強大な競争力、時に扱いにくい気性という形で現れました。

レッドゴッドの代表的な産駒には、プール・デッセ・デ・プーランを制したブラッシンググルーム (1974年生) とレッドロード (1973年生)、チェヴァリーパークステークス優勝馬ジェイシンス (1970年生)、そしてスプリンターとして名を馳せたイエローゴッド (1967年生) などがいます。中でもブラッシンググルームは、種牡馬としても大成功を収め、その父系は現代競馬においても大きな勢力を誇っています。イエローゴッドもまた、種牡馬として活躍しました。レッドゴッドの父系は「レッドゴッド系」と呼ばれていましたが、ブラッシンググルームの成功により、現在ではあまり使用されなくなっています。

レッドゴッドは、競走馬、種牡馬として活躍した後、1979年3月、カーロウ県のミルフォードスタッドで腸捻転により亡くなりました。

血統面においても、レッドゴッドは優れた遺伝子を受け継いでいました。半兄にはブルーグラスステークス勝ち馬のレーシングフールがいます。いとこにはアメリカ最優秀古牡馬クラフティアドミラルや、名牝ウォータークイーン（ボーパープルの母）がおり、その血統背景からも、彼の成功が必然であったと言えるでしょう。四代母スウィープアウェイの半兄には名馬スウィープがいるなど、その血統には競馬史に名を残す名馬が数多く含まれています。

レッドゴッドの短い競走生活と、種牡馬としての長く輝かしい功績は、競馬史に大きな足跡を残しました。彼の血統は、ブラッシンググルームなど数多くの優秀な競走馬を輩出し、現代競馬にも多大な影響を与え続けています。彼の遺伝子は、これからも競馬界で生き続けることでしょう。

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