レッド・エンサイン

レッド・エンサイン：イギリス商船旗の歴史と変遷

レッド・エンサイン（Red Ensign）、別名レッド・ダスターは、イギリスの商船旗として知られています。その特徴は、赤地の左上隅（カントン部）にイギリスの国旗、ユニオン・フラッグがデザインされていることです。用途に応じて、無地の部分に紋章や星が加えられることもあります。また、歴史的にはイングランドやスコットランドの国旗がカントン部に配された時期もありました。

歴史

レッド・エンサインの起源は17世紀前半に遡ります。当初はイギリス海軍で使用され、1674年にはチャールズ2世の勅令によりイギリス商船にも使用が認められました。当初のデザインは、イングランド国旗であるセントジョージ・クロスを配したものでした。同時期には、スコットランド海軍でも同様にスコットランド国旗を配したものが用いられていました。

1707年にイングランドとスコットランドが合同し、グレートブリテン王国が成立すると、カントン部にはユニオン・フラッグが採用されました。さらに、1800年の合同法によってグレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立すると、ユニオン・フラッグのデザイン変更に合わせて、レッド・エンサインのデザインも更新されました。

イギリス海軍では、レッド・エンサインの他にホワイト・エンサイン、ブルー・エンサインの三色が使用されていましたが、1864年の勅令によってその使用法が整理されました。この勅令により、レッド・エンサインは商船用、ホワイト・エンサインは海軍用、ブルー・エンサインは政府関連および海軍予備役用と区別されることになりました。この分類は、現在でもイギリスにおいて原則として適用されています。

現在国旗または商船旗として使用している国・地域

現在もレッド・エンサインを国旗または商船旗として使用している国と地域が多数存在します。

（省略）

かつて国旗または商船旗として使用していた国・地域

過去には、以下の国や地域でレッド・エンサインが国旗や商船旗として使用されていました。

カナダ
イギリス領インド
ニューファンドランド（1904年 - 1931年）
南アフリカ連邦（1910年 - 1928年）
イギリス領香港（1959年 - 1997年）

その他

国旗や商船旗ではありませんが、レッド・エンサインのデザインが使用されている例もあります。

カナダ・オンタリオ州の旗
カナダ・マニトバ州の旗

このように、レッド・エンサインはイギリスとその影響下にあった地域で広く使用されてきた歴史的な旗であり、そのデザインは現代においても様々な形で受け継がれています。

関連項目

ブルー・エンサイン
ホワイト・エンサイン
グリーン・エンサイン
イギリスの旗の一覧
* イギリス海軍の色別戦隊

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