レッド・リバー・ショウダウン

オクラホマ・テキサス・フットボール・ライバルリー

オクラホマ大学とテキサス大学オースティン校が毎年繰り広げるカレッジフットボールの対戦は、両州の境界を流れるレッド川にちなみ、「レッド・リバー・シュートアウト」、「レッド・リバー・ライバルリー」、「レッド・リバー・ショウダウン」など様々な通称で知られる、アメリカ屈指の歴史あるライバル対決です。この熱戦は、スポーツの枠を超え、両州のプライドをかけた一大イベントとして注目されています。

歴史

初めてこのライバル関係が芽生えたのは1900年、まだオクラホマ州が準州だった時代に遡ります。当初は「練習試合」とも表現される控えめなスタートでしたが、1929年に一時中断するまで、毎年欠かさず対戦が続けられました。2022年までに通算118試合が開催されており、その歴史の深さがうかがえます。名称については、2005年に100試合目を迎えた際に、スポンサーシップ契約に伴い「シュートアウト」という言葉を避け「ライバルリー」に改称された時期もありましたが、その後再び「ショウダウン」が使われるなど、時代と共に変化してきました。対戦は長きにわたり、全米カレッジフットボール界で高い評価を得ており、2005年には主要なライバル対決の中で3番目に位置づけられるほどでした。通算成績ではテキサス大学が63勝50敗5分と勝ち越しています。AP通信によるランキングが導入されて以降、どちらかのチームがランクインした状態で対戦することは70回以上に及び、近年も両校がトップランク入りした状態で激突する熱戦が度々繰り広げられてきました。

歴史の中では、数々の記憶に残る試合が生まれています。1950年の1点差でのオクラホマ勝利、1958年にテキサスがオクラホマの連勝を止めた試合、あるいは1963年の1位と2位の直接対決でテキサスが勝利し全米制覇へと繋げた一戦などは特に有名です。また、偵察行為を巡る騒動（1972年、1976年）や、コーチ間の確執、伝説的な選手の活躍（1977年のアール・キャンベル）、雨中の激闘と引き分け（1984年）など、単なる勝敗を超えたドラマがこの対戦を彩ってきました。

会場

このライバル対戦の舞台は、1932年以降、テキサス州ダラスにあるコットン・ボウルにほぼ固定されています。ダラスは、オクラホマ大学のあるノーマンとテキサス大学のあるオースティンの中間地点に位置しており、両校のファンにとってアクセスしやすい場所として選ばれました。対戦は毎年秋に開催される「ステート・フェア・オブ・テキサス」の期間中に行われるのが慣例となっており、会場周辺はお祭りのような熱気に包まれます。コットン・ボウルの観客席は、伝統的に50ヤードラインを境界として厳密に二分され、片側にオクラホマの真紅のファン、もう片側にテキサスのオレンジのファンが集結し、壮観な光景を生み出します。チケットは両校に均等に配分され、どちらのファンも自校の応援団の近くに座れるよう配慮されています。ホーム扱いとなる大学は偶数年にオクラホマ、奇数年にテキサスと年ごとに交代する仕組みですが、席割りの伝統（かつてはオクラホマが選手出口に近い南側を占めていた）については、近年変更の動きもありつつ、テキサス側が南側を拒否するなど、その運用には複雑な背景も見られます。

トロフィ

この歴史ある対戦の勝者には、3つのトロフィが贈られます。最も象徴的で試合終了直後にフィールド上で授与されるのが「ゴールデン・ハット」です。これは、木製ベースに金色のカウボーイハットがあしらわれたユニークな形状をしており、対戦がダラスで開催されることへの感謝の印として寄贈されたことに由来します。1941年に初めて制作された当時はブロンズ色だったため「ブロンズ・ハット」と呼ばれていましたが、1970年代に金色に作り替えられ、現在の名称となりました。ゴールデン・ハットは、勝利校のアスレチック部門に翌年の対戦まで展示されます。2018年にはレギュラーシーズンとカンファレンス選手権で2度対戦しましたが、ゴールデン・ハットはレギュラーシーズンの勝者にのみ授与されるルールが適用されました。

その他のトロフィとして、両校の生徒会間で交換される「レッド・リバー・ライバルリー・トロフィ」があります。これは2003年に導入され、両州のシンボルや両校のヘルメットがデザインされています。また、両州知事の間で交換される「ガヴァナーズ・トロフィ」も存在し、対戦結果を巡って知事同士が牛肉料理などを賭けるというユニークな慣習も見られます。

その他

この対戦は集客力も非常に高く、特に2009年から2011年にかけては、3年連続で96,009人という記録的な観客動員数を達成しています。また、両校の海軍予備役将校訓練課程（NROTC）の学生たちによる、それぞれのキャンパスからダラスまでフットボールをリレー形式で運ぶという伝統的なイベントも、このライバル関係に花を添えています。学生たちはフラッグフットボールの試合も行い、勝者にはNROTCトロフィが授与されます。

オクラホマ・テキサス・フットボール・ライバルリーは、単なるスポーツイベントではなく、両州の文化、歴史、そして誇りがぶつかり合う特別な対戦として、毎年多くのファンを熱狂させています。

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