レディズ・オブ・ザ・キャニオン

ジョニ・ミッチェルが1970年に発表した3枚目のアルバム『レディズ・オブ・ザ・キャニオン』（Ladies of the Canyon）は、彼女の代表作の一つとして知られています。

アルバムの背景

アルバムタイトルにある「ザ・キャニオン」とは、1960年代後半に多くのミュージシャンやアーティストが集まって暮らしていたロサンゼルス郊外のローレル・キャニオンのことです。ジョニ・ミッチェル自身も当時、ローレル・キャニオンのルックアウト・マウンテン・アヴェニューに家を構え、恋人であったグラハム・ナッシュと生活を共にしていました。この地での経験が、アルバムの制作に大きな影響を与えたと言われています。

レコーディングはロサンゼルスのA&Mスタジオで行われ、エンジニアはヘンリー・レヴィーが担当しました。収録曲はすべてジョニ・ミッチェル自身が作詞作曲を手掛けています。1970年4月にリリースされた本作は、アメリカのビルボードアルバムチャートで27位、イギリスでは8位を記録しました。

参加ミュージシャン

ジャズ・フルート奏者のポール・ホーンがクラリネットとフルートで参加しており、楽曲に深みを与えています。

収録曲について

「サークル・ゲーム」は、元々カナダのフォークデュオ、イアンとシルヴィアが1967年に発表した楽曲です。その後、バフィー・セントメリーやトム・ラッシュなどもカバーしており、ジョニ・ミッチェル自身も初期の頃から歌っていました。アルバムに収録されているバージョンで、彼女自身の歌声が初めて広く知られることとなりました。コーラスとしてクレジットされている「The Lookout Mountain United Downstairs Choir」は、デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュの3人の変名です。

アルバムからは、「ビッグ・イエロー・タクシー」がシングルカットされました。B面には「ウッドストック」が収録されています。

アートワーク

ジャケットの絵は、ジョニ・ミッチェル自身が描いたものです。彼女は音楽だけでなく、絵画の才能も持ち合わせており、他の作品でも自身のアートワークを手掛けています。

2022年7月23日には、ジョニ・ミッチェルの公式YouTubeチャンネルで、『レディズ・オブ・ザ・キャニオン』アルバム全体の動画が公開されました。

収録曲リスト

Side 1

1. モーニング・モーガンタウン - Morning Morgantown
2. フォー・フリー - For Free
3. 会話 - Conversation
4. レディズ・オブ・ザ・キャニオン - Ladies of the Canyon
5. ウィリー - Willy
6. アレンジメント - The Arrangement

Side 2

1. レイニー・ナイト・ハウス - Rainy Night House
2. プリースト - The Priest
3. ブルー・ボーイ - Blue Boy
4. ビッグ・イエロー・タクシー - Big Yellow Taxi
5. ウッドストック - Woodstock
6. サークル・ゲーム - The Circle Game

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