レナータ・トマノワ

レナータ・トマノワ（Renáta Tomanová, 1954年12月9日 - ）は、チェコスロバキア（現チェコ）出身の元女子プロテニス選手です。彼女は1970年代に目覚ましい活躍を見せ、グランドスラムのシングルスで2度の準優勝、ダブルスで1度の優勝を果たしました。

少女時代の育成とフェデレーションカップでの活躍

トマノワは少女時代、チェコスロバキアのナショナル・コーチであったベラ・スコバの指導を受けました。1973年にプロに転向し、1975年のフェデレーションカップ（現在のビリー・ジーン・キング・カップ）でチェコスロバキア代表に初選出。当時18歳だったマルチナ・ナブラチロワらと共にチームを牽引し、チェコスロバキアを初の優勝に導きました。決勝ではオーストラリアを3勝0敗で破り、スコバ監督の下、歴史的な勝利を飾りました。

グランドスラムでの準優勝とダブルス優勝

1976年、トマノワは全豪オープンと全仏オープンの女子シングルスで連続して決勝に進出しました。しかし、全豪オープンではイボンヌ・グーラゴング・コーリーに、全仏オープンではスー・バーカーに敗れ、惜しくも準優勝に終わりました。全豪オープンでは、女子ダブルスでも決勝に進出しましたが、ここでもグーラゴング・コーリーのペアに敗れています。

1978年の全豪オープン女子ダブルスでは、ベッツィ・ナゲルセン（アメリカ）とペアを組み、決勝で佐藤直子＆パム・ホワイトクロス（オーストラリア）組を破り、見事優勝を果たしました。この勝利は、トマノワにとって唯一のグランドスラムタイトルとなりました。

その後のキャリアと引退

1979年には、全仏オープンでベスト8、全豪オープンでベスト4に進出するなど、その後も活躍を続けました。しかし、次第にマルチナ・ナブラチロワの陰に隠れがちな存在となっていきました。1987年8月、オーストリア・キッツビュール大会への出場を最後に、32歳で現役を引退しました。

レナータ・トマノワは、チェコスロバキアのテニス界において、重要な役割を果たした選手の一人です。その才能は早くから認められ、フェデレーションカップでの優勝やグランドスラムでの活躍を通じて、多くの人々に感動を与えました。

参考文献：
Martin Hedges, “The Concise Dictionary of Tennis” Mayflower Books Inc., New York (1978) ISBN 0-8317-1765-3
“90 Let Českého Tenisového Svazu” Český tenisowý svaz, Praha (1996)

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