レニングラード防衛記章

レニングラード防衛記章

概要

レニングラード防衛記章（ロシア語: Медаль «За оборону Ленинграда»）は、ソビエト連邦が発行した記章であり、1941年から1944年にかけて続いたレニングラード包囲戦において、都市の防衛に貢献した軍人や市民に対して授与されました。この勲章は、1942年12月22日に制定され、オデッサ、セヴァストポリ、スターリングラードの防衛記章と並行して、ソ連における初の記章の一つとなりました。

設立の背景

1942年の深秋、ソ連政府は防衛戦に参加したすべての関係者を称えるための勲章を作成する方針を示しました。この発表を受けて、記章の設計や授与の条件が整えられ、1942年末には授与が開始されました。約60万人が1945年までにこの名誉を受け、その受章者の情報はレニングラード包囲と防衛の記念博物館に収められました。現在はその記録は失われているものの、1985年には受章者は147万人に達したとされています。

受章条件

レニングラード防衛記章は、レニングラードの防衛戦において戦ったすべての軍人及び民間人に授与されます。具体的には、赤軍や赤色海軍の兵士、民間の労働者、要塞の構築を手伝った人々、さらには物流や文化的なサービスを維持した者など、多岐にわたる分野で貢献した方々が対象となっています。また、受章者は1957年に制定されたレニングラード250周年記念記章を受け取る権利も与えられました。

デザイン

この勲章は真鍮製で、直径32mmの円形の外観を持っています。表面には、レニングラードの旧海軍省を背景にして、赤軍兵士や労働者が銃剣を構えている姿が象徴的に描かれています。上部には五芒星が配置され、その周囲には«ЗА ОБОРОНУ ЛЕНИНГРАДА»（レニングラード防衛のために）という言葉が刻まれています。さらに、メダルの裏面には鎌と槌が描かれ、その下には«ЗА НАШУ СОВЕТСКУЮ РОДИНУ»（我らが祖国ソビエトのために）という文言が記されています。

デザインの多様性

レニングラード防衛記章のデザインはニコライ・モスカリョーフによって設計されましたが、他にもいくつかの未採用案がありました。例えば、旧海軍省の背景にレーニン像を描いたデザインや、ペトロパヴロフスク要塞をテーマにしたものなど、様々なバリエーションが存在しました。これらのアイデアは、レニングラードの象徴を強調しつつ、防衛の意義を際立たせるものでした。

参加者の影響

レニングラード防衛記章の受章者には、実際に戦闘に参加した勇気ある兵士たちや、防衛活動を支えた民間人が含まれます。その中には、戦時中に若かった子どもたちも多く、彼らもまたその記章を通じて歴史の一部となっています。この記章は、戦争の苦難を乗り越えた人々の証であり、彼らの勇敢な行動を称えるものとなっています。

結論

レニングラード防衛記章は、ただの栄典ではなく、戦時中の苦闘と、レニングラードの人々が示した団結の象徴です。今日でも、この記章は歴史の一部として語り継がれており、未来の世代に対しても強いメッセージを持ち続けています。

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