レフティ・ゴメス

レフティ・ゴメス（Lefty Gomez）

基本情報

レフティ・ゴメス（本名：バーノン・ルイ・ゴメス）は、1908年11月26日にカリフォルニア州ロデオに生まれたメジャーリーグベースボール選手で、投手として1930年代から1940年代にかけて活躍しました。主にニューヨーク・ヤンキースでプレーし、背番号は11。彼の名前にちなんで「左投げ（Lefty）」として知られ、他にも「グーフィー」や「エル・グーフォ」といった愛称でも呼ばれました。

キャリアの始まりとヤンキースでの成功

ゴメスは1928年にプロキャリアをスタートさせ、1929年にニューヨーク・ヤンキースに加入しました。1930年の4月29日にメジャーリーグの舞台でデビューしましたが、初年度は2勝5敗と奮わない結果でした。しかし、彼の持ち味である剛速球を武器に、1931年には21勝、1932年には24勝を挙げ、迅速にヤンキースの主力投手に成長しました。

特に1932年のワールドシリーズではシカゴ・カブス相手に1点に抑える完投を記録し、チームの勝利に大きく貢献しました。これを皮切りに、彼は毎年のように活躍し続け、1933年には最多奪三振投手に、1934年には26勝をあげ、投手三冠を獲得しました。この年のオフには日米野球に参加し、ベーブ・ルースと共に日本を訪問。彼の人気はその後も続きました。

継続する活躍

1935年と1936年は少し調子を落としたものの、1937年には再度21勝を挙げ、2回目の投手三冠を獲得します。ヤンキースでの彼の成績は素晴らしく、1939年までフルシーズンでの出場を果たし、オールスターゲーム出場も7年連続で達成しました。また、ワールドシリーズには5回出場し、特にオールスターゲームでは合計3勝を記録するなど、ビッグプレッシャーの中でも力を発揮する選手でした。

引退とその後

1942年までヤンキースに在籍した後、1943年にワシントン・セネタースに移籍します。しかし、セネタースでは1試合の登板に留まり、現役を引退しました。引退後は、彼の名簿の冗談や逸話が多くの人々に親しまれ、ディナーショーなどでその面白いエピソードを語る依頼が多く寄せられました。

1972年にはアメリカ野球殿堂入りを果たし、1987年にはヤンキー・スタジアムのモニュメント・パークに彼の額が飾られるセレモニーが行われました。1989年2月17、カリフォルニア州で80歳で亡くなりました。

ゴメスのユーモアと逸話

ゴメスはその才能だけでなく、ユーモアでも知られた選手でした。ある試合では、剛速球投手ボブ・フェラーが登場した場面で、彼はマッチを擦る行動をとり、周囲の選手たちを驚かせました。「霧が濃いから、フェラーに自分がどこにいるか知らせるため」とジョークめかして答えたのです。また、1937年には併殺プレーの際、正しい送球先を間違えて二塁手にボールを投げるという突拍子もない行動をとり、「賢い選手だったから、何をするのか見てみたかった」と答えたエピソードも有名です。

このように、レフティ・ゴメスは優れた投手としてだけでなく、そのユーモアにより時代を超えて多くのファンに愛された選手でした。

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