レフト・ビハインド (2014年の映画)

映画『レフト・ビハインド』解説：取り残された世界の恐怖と希望

『レフト・ビハインド』（原題: Left Behind）は、2014年に公開されたアメリカのスリラー映画。ティム・ラヘイとジェリー・ジェンキンズによる同名小説を原作とし、監督はヴィク・アームストロング、主演はニコラス・ケイジが務めました。

あらすじ

物語は、突如として世界中で人々が消え去る現象から始まります。主人公のクローイ・スティールは、パイロットの父レイフォードの誕生日パーティーに向かう途中、母との関係に悩んでいました。空港でジャーナリストのキャメロン・ウィリアムズと出会いますが、その直後、弟が着ていた服を残して姿を消してしまうのです。

同様の現象はレイフォードが操縦する飛行機内でも発生。副操縦士や子供たちが消え、機内はパニックに陥ります。レイフォードは地上との連絡を試みますが、世界中で同様の事態が発生していることを知らされます。燃料が減少する中、彼はニューヨークへの帰還を決意します。

地上では、クローイが父親の飛行機の危機を知り、救出を試みます。彼女は牧師から、この現象が聖書の予言にある「携挙」であることを聞かされます。取り残された人々は終末の日を迎えることになるというのです。絶望の中、クローイは橋を滑走路にするという大胆な行動に出ます。

キャスト

レイフォード・“レイ”・スティール：ニコラス・ケイジ（小山力也）
キャメロン・“バック”・ウィリアムズ：チャド・マイケル・マーレイ（小林親弘）
クローイ・スティール：キャシー・トムソン（竹内夕己美）
ハティー・ダーハム：ニッキー・ウィーラン（小林沙苗）
* アイリーン・スティール：リー・トンプソン（佐々木優子）

製作の背景

原作小説は1995年に出版され、キリスト教徒を中心に世界中で大ベストセラーとなりました。映画化権を巡る訴訟や調停を経て、2014年に本作が公開されました。製作には、オリジナルシリーズよりも多くの予算が投じられ、リブート作品としてシリーズ化が期待されました。

評価

本作は批評家からは酷評されました。Rotten Tomatoesでは、批評家支持率が2%と非常に低い評価となっています。しかし、原作者のティム・ラヘイは、過去の映画化作品よりも本作を高く評価しています。

受賞・ノミネート

第35回ゴールデンラズベリー賞では、最低作品賞、最低脚本賞、最低主演男優賞（ニコラス・ケイジ）の3部門にノミネートされましたが、受賞には至りませんでした。

続編の計画

ポール・ラロンドによると、本作の続編が2本作られる予定でしたが、クラウドファンディングによる資金調達は目標に届かず、製作は実現しませんでした。

総評

『レフト・ビハインド』は、聖書の携挙というテーマを扱ったスリラー映画です。突如として人々が消え去るという異常事態の中で、取り残された人々の混乱と苦悩、そして希望を描いています。批評家からは厳しい評価を受けましたが、原作ファンからは一定の評価を得ています。特に、ニコラス・ケイジの演技は賛否両論ありますが、彼の存在感が作品に深みを与えていることは確かでしょう。終末の世界を舞台にした作品に興味がある方は、一度鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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