携挙

携挙（けいきょ）について

携挙（けいきょ）とは、キリスト教、特にプロテスタントの教義において、未来に起こるとされる特別な出来事のことを指します。この教義は、主イエス・キリストの再臨の際に、神の聖徒たちが天に引き上げられると信じられています。具体的には、まず聖徒の霊が復活の体を与えられ、肉体と霊が結び付き、復活の経験をすることが報じられています。その後、地上に存在する真正のクリスチャンも空中で主と出会い、不死の体を授かるとされます。

聖書における携挙

この教義は、特に艱難前携挙説に関連して語られることが多いですが、聖書の特定の箇所がこの概念に根拠を提供しています。艱難前携挙説は、苦難の時代が始まる前に信者が天に引き上げられるという考え方です。これを信じる教派の多くは、艱難からの逃避を重視しています。この説は近年のキリスト教根本主義と密接に関連しており、特に19世紀から発展したディスペンセーション主義の影響を受けて広まったと考えられています。

教義の歴史

艱難前携挙説は初期の神学的根本主義の一部ではなく、紀元3世紀頃は前千年王国説が主流でした。そのため、信者の「取り去られる」概念が一般的な理解とされていましたが、無千年王国説の普及により、携挙に対する考え方は変化しました。しかしディスペンセーション主義の教えが広まることで、20世紀に再び注目を集めることとなります。

有名な提唱者には、ジョン・ネルスン・ダービ、ハル・リンゼイ、グラント・ジェフリー、高木慶太などがいます。彼らは、新約聖書および初代教会の教父に根拠を見出し、携挙の重要性を強調しています。特に『レフトビハインド』という作品は、艱難前携挙説をテーマにした小説として、多くの読者に知られています。

携挙の時期

携挙が起こる具体的な時期に関しては、意見が分かれています。患難時代が7年間続くのか、または3年半なのか、提唱者間でさまざまな解釈が存在します。一部の神学者は、マタイによる福音書の患難について、すでに紀元70年のエルサレム破壊時に実現したと論じています。しかしながら、携挙の時期に関しては、艱難時代前、艱難時代中、艱難時代後の3つの立場が代表的な見解とされています。それぞれの立場では、イエス・キリストが神の国を確立する過程が異なります。

各国における携挙の理解

携挙の概念は特に艱難前携挙と関連付けられることが多いですが、この教義を支持しない教派でも、携挙という言葉が使われる場合があります。韓国では、1992年に『タミ宣教会』によって広まった「時限付き終末携挙論」が社会問題となり、いまだに携挙に関する論争が続いている団体が存在します。これにより、携挙の概念は国によって異なる捉え方をされていることがわかります。

携挙はキリスト教信徒の理解に深く刻まれており、その解釈や信じ方は地域や教派によって異なる点も多く、興味深いテーマとなっています。

もう一度検索