レブンソウ

レブンソウ（礼文草）

レブンソウ（学名：Oxytropis megalantha）は、マメ科オヤマノエンドウ属に分類される多年草です。北海道の礼文島という限られた場所にのみ自生する固有種であり、その可憐な姿から多くの人々を魅了しています。

特徴

レブンソウは、草丈が10cmから25cm程度と比較的背の低い植物です。葉は複葉で、細かい毛に覆われています。花期は6月から7月にかけてで、1本の花茎に数個から十数個の紫色の花を上向きに咲かせます。花の色は鮮やかな紫色で、そのコントラストが美しく、見る人の心を惹きつけます。

和名の「レブンソウ」は、礼文島でのみ見られることに由来しています。この名前が示すように、レブンソウは礼文島の固有種であり、他の地域では見ることができません。特に、桃岩展望台や桃岩歩道周辺で多く見られることで知られています。

生育環境

レブンソウは、主に海岸近くの岩場や草地に生育します。強い風や厳しい気候条件にも耐えることができる丈夫な植物ですが、生育地の環境変化には非常に敏感です。そのため、近年は生育地の減少や環境悪化の影響を受け、個体数が減少傾向にあります。

保護状況

レブンソウは、環境省のレッドデータブックにおいて絶滅危惧IA類（CR）に指定されており、最も絶滅の危険性が高い種の一つとして分類されています。これは、レブンソウの生育地が非常に限られていること、また、環境変化に弱いことが主な原因です。生育地の保護や繁殖技術の研究など、積極的な保護対策が求められています。

観察ポイント

礼文島を訪れた際には、ぜひレブンソウを探してみてください。特に、桃岩展望台や桃岩歩道では、紫色の花を咲かせたレブンソウを見ることができます。しかし、絶滅危惧種であることを忘れず、観察の際には植物を傷つけたり、採取したりしないよう、注意が必要です。

レブンソウは、礼文島の自然を象徴する貴重な植物です。その美しさと希少性から、多くの人々を惹きつける存在ですが、同時に、私たちが保護しなければならない存在でもあります。未来の世代にもこの美しい花を残すために、私たち一人ひとりが環境保全に努めることが大切です。

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