オヤマノエンドウ属

オヤマノエンドウ属 (Oxytropis)

オヤマノエンドウ属（学名：Oxytropis）は、マメ科に属する植物のグループです。和名では「御山の豌豆属」と表記されます。

特徴

オヤマノエンドウ属の植物は、草本または低木として生育します。葉は奇数羽状複葉で、小さな葉（小葉）の縁は滑らかで、ギザギザはありません。葉の付け根には托葉と呼ばれる小さな葉片があり、葉柄から独立している場合と、葉の裏側で一部が葉柄と合着している場合があります。

花は、葉の付け根から伸びる総状花序に咲きます。花の色は種によって異なり、紅紫色、白色、淡黄色などがあります。オヤマノエンドウ属の大きな特徴として、竜骨弁（マメ科特有の花びらの一部）の先端が嘴（くちばし）のような突起になっていることが挙げられます。豆果はやや膨らんでおり、内部は仮壁によって2つの部屋に分かれています。

分布と種

オヤマノエンドウ属は約300種が知られており、主に北半球の温帯から亜寒帯にかけて分布しています。特に乾燥した環境を好む種が多く見られます。日本には、以下の5〜7種が自生しています。

日本の主な種

リシリゲンゲ（タカネオウギ）Oxytropis campestris subsp. rishiriensis
マシケゲンゲ Oxytropis shokanbetsuensis
ウスゲマシケゲンゲ Oxytropis shokanbetsuensis f. pilosa
オヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. japonica
シロバナオヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. japonica f. albiflora
エゾオヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. sericea
シロバナエゾオヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. sericea f. leucantha
オカダゲンゲ（ヒダカゲンゲ） Oxytropis revoluta
ヒダカミヤマノエンドウ Oxytropis retusa
クナシリオヤマノエンドウ Oxytropis kunashiriensis
レブンソウ Oxytropis megalantha
シロバナレブンソウ Oxytropis megalantha f. albiflora

外国の主な種

ミヤマオウギ Oxytropis arnertii
フジボゲンゲ Oxytropis caerulea
クモマオウギ Oxytropis campestris
モウコゲンゲ Oxytropis filiformis
オオゲンゲ Oxytropis grandiflora
クルマバゲンゲ Oxytropis hailarensis
ホザキゲンゲ Oxytropis hirta
シベリアゲンゲ Oxytropis leptophylla
コバノキヌゲンゲ Oxytropis microphylla
スギナエンドウ Oxytropis myriophylla
キヌゲンゲ Oxytropis psammocharis
トドジマゲンゲ Oxytropis todomoshiriensis
Oxytropis sylvatica
Oxytropis strobilacea

参考文献

佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』（1982年）平凡社
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

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