レベディンの戦い

レベディンの戦い：2022年ロシアのウクライナ侵攻における激戦

2022年2月26日、ロシア軍によるウクライナ侵攻が開始され、北東部戦線においてスームィ州レベディンは、ウクライナ軍とロシア軍の間で激しい戦闘が繰り広げられる場所となりました。この戦いは、2月26日から3月13日にかけての期間に、市街地や周辺地域で発生した一連の衝突を指します。

戦闘の経過

2月26日 - 2月27日

2月26日夕方、ウクライナ軍はロシア軍を都市郊外で食い止め、ロシア軍は大きな損害を被ったと伝えられています。同日午後10時45分には、カミアネで戦闘が開始されました。翌27日朝には、5人の兵士がレベディンの病院に搬送されました。負傷者の多くは、バティウテンコ通りとその周辺で負傷したとされています。救急・災害医療地域センターによれば、この時点では民間人の負傷者は確認されていません。2月27日夜には、カプスティンツィ出身のオレクサンドル・スミリアン氏（37歳）が戦死しました。

2月28日

午後、レベディン方面から来たロシア軍の車列がトロスティアネッツに向かいました。午後6時頃、ウクライナ軍は、レベディン近郊のクリチカにあるロシア軍基地をUAV（バイラクタル TB2）で破壊したと発表しました。ウクライナ軍の報告では、この攻撃でロシア軍の戦車96台、BM-21多連装ロケット砲20台、タンクローリー8台が破壊されたとされています。この地域には民間人はいなかったと報告されています。一方、シュテピウカでは、地元の男性が地雷が仕掛けられた放棄された軍用車両に近づこうとして死亡するという痛ましい事件も発生しました。

3月1日 - 3月3日

3月1日から2日にかけての夜間、ウクライナ軍は、レベディン近郊のビシュキン村で、ロシア軍の軍用車両約100台（主に戦車と装甲兵員輸送車）を破壊したと発表しました。3月3日午後、ウクライナ軍第93独立機械化旅団は、レベディン地区モスコウスキー・ボブリクでロシア軍を無力化しました。この戦闘で、複数のT-72B3戦車とT-80U戦車、装甲兵員輸送車が無力化されました。この間、ロシア軍は地元の商店や個人宅から略奪を行い、村長の車を焼却したと報告されています。3月3日午後9時頃には、ロシア軍はスームィとその周辺地域、特にネドリハイリウ、ボロムリア、ベズドリク、レベディンへの砲撃を再開しました。

3月4日 - 3月7日

レベディンでは、3月4日と5日にかけて電気が完全に途絶しました。3月5日午前7時、ロシア軍が都市への砲撃を開始し、住民は空襲警報を聞くことになりました。砲撃は一日中続き、高層建築物の窓が爆風で吹き飛ばされるなどの被害が発生しました。変電所、レベディンベーカリー、ガソリンスタンドもロシア軍の砲撃により破壊されました。同日夕方には、ロシア軍が田園地帯を移動中の民間人を拘束しているとの報告がなされました。軍事政権のトップであるドミトロ・ジビツキー氏は、「ロシア軍は平和なウクライナ人の車を奪い、時には車に向けて発砲している」として、人々がレベディン、スームィ、アフトゥイルカ、トロスティアネッツから離れることができない状況にあると述べました。3月5日夕方、ロシア軍の戦車部隊がレベディンに到着し、その途中でトロスティアネッツ近郊のスタノヴェ村を占領しました。ロシア軍は中央通りや脇道の庭に戦車を配備し、住民の携帯電話を奪い、民家に押し入って食料や入浴を要求したと報告されています。彼らは、住民を人間の盾として利用したと伝えられています。また、軍事政権によれば、ロシアの大砲による砲撃と3月6日の空爆により、レベディンの多くの住民が電気を失いました。検察は、ロシア軍機の攻撃によるレベディンベーカリーの破壊について、予備調査を開始しました。3月7日には、レベディンへの電力供給が一部復旧しました。

3月8日 - 3月9日

レベディンでは、ロシア軍の空爆により住宅が破壊され、瓦礫の中から子供2人を含む5人が救出されました。

3月10日 - 3月11日

3月10日までには、レベディン地区のヴォロズバ村がロシア軍に占領されました。ジビツキー氏によれば、ロシア兵は住民を通りに追い出し、略奪行為や住宅への放火を行ったとされています。また、多くの住民が避難していた地下室から引きずり出されたとも伝えられています。ジビツキー氏は、「彼らは平和な地元住民をバイラクタルに対する人間の盾として利用している」と非難しました。3月11日夜には、ロシア軍がケルディリウスチナで住宅を砲撃し、地元住民のヴァシル・マスリューク氏とヴァレリー・スカノフ氏が死亡しました。

3月12日 - 3月13日

3月12日、スームィ州では避難のための「緑の回廊」が設けられました。住民は、スームィ、トロスティアネッツ、コノトプ、レベディン、ヴェリカピサリヴカ、クラスノピリアからロムヌィを経由してポルタヴァへ避難することが可能になりました。ジビツキー氏によれば、最終的に電気も通信も途絶えていたレベディンからの避難で合意に至ることができました。午前9時には、民間車両やバスの列がレベディン市議会に集結しました。避難ルートは、レベディンからシュテピウカ、ネドリハイリウ、コロヴィンツィ、ロムヌィ、アンドリヤシウカ、ロフビツァ、ルブヌィを経由してポルタヴァに至るものでした。この日、合計で83人の民間人を乗せた28台の車両と、52人の民間人を乗せた4台のバスがレベディンを出発しました。3月13日の時点では、スームィ州の2万2500人の市民が電力を失っている状況でした。軍事政権によれば、砲撃によってアフトゥイルカ、トロスティアネッツ、レベディン、スームィの送電線が損傷したと報告されています。

戦闘の影響

レベディンの戦いは、市民生活に甚大な影響を与えました。電気、水道、通信などのインフラが破壊され、多くの住民が避難を余儀なくされました。戦闘による直接的な被害だけでなく、略奪、民間人の拘束、人間の盾としての利用など、人道的な問題も多く発生しました。この戦いは、ロシアのウクライナ侵攻における民間人への影響を示す一つの事例として、記録されるべきでしょう。

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