レベル7 (宮部みゆき)

小説『レベル7』について

『レベル7』（レベルセブン）は、日本の著名な作家、宮部みゆきによるサスペンス小説です。この作品は新潮社の「新潮ミステリー倶楽部」というレーベルから書き下ろしとして刊行され、1994年と2012年にテレビドラマとしても映像化されました。

あらすじ

物語は、記憶を失った男と女の目覚めから始まります。彼らはあるマンションの一室で目を覚まし、自分の周囲にいる見知らぬ人物に混乱します。お互いに深酔いしたのかと思いきや、二人とも完全に記憶を失っており、彼らの腕には「level7」という謎の文字が刻まれていました。さらに、見知らぬ部屋には現金が詰まったスーツケース、拳銃、血の付いたタオルが置かれています。果たして彼らはなぜそこにいるのか、何が起こったのか、まったく思い出せません。

記憶を取り戻すために奔走する男と女は、自分たちが事件に関与している可能性を模索しつつ、背後には「レベル7まで行ったら戻れない」という不気味な言葉が暗い影を落とします。そして、物語の進行にともない、女子高生・貝原みさおの失踪事件が彼らの行動に深く関わっていることが明らかになっていきます。

書誌情報

この小説は1990年9月に新潮社から単行本として出版され、1993年9月には文庫本としてもリリースされました。その後、2008年には新装版が、2010年には新潮文庫の新装版も登場しています。すでにたくさんの読者に親しまれている作品となっています。

テレビドラマ

『レベル7』は、これまでに2回のドラマ化が行われています。最初は1994年3月28日に関西テレビで放送され、当時は「愛と疑惑のサスペンス」というタイトルの下に、浅野ゆう子が主演として参加しました。この場合、タイトルには「空白の90日」というサブタイトルが付いていました。

キャストにはその他にも、風間トオルや平幹二朗、永作博美、さらに水木薫などが名を連ねています。

2回目のドラマ化は2012年5月28日にTBSの特別枠で放送されました。この時は主演に玉木宏が起用され、ストーリーやキャストにいくつか異なる要素が盛り込まれ、視聴者に新たな視点を提供しました。たとえば、原作では失踪した女子高生をカウンセラーが捜す設定だったものが、ドラマでは孫娘を捜す祖母を中心にしたストーリーに変更されています。

関連情報

物語を通じて描かれるのは、記憶が失われる恐怖や、未来を予測できない運命といったテーマです。宮部みゆきの緻密な筆致により、読み応えのある作品に仕上がっています。新潮社の公式サイトや、TBSの「宮部みゆき・4週連続 “極上”ミステリー」など、関連情報を確認することで、作品の理解をさらに深めることができるでしょう。

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