レンゴー

概要

レンゴー株式会社（英文名：Rengo Co., Ltd.）は、大阪市北区中之島に本社を構え、段ボールや板紙などの紙製包装資材を製造・販売する業界最大手の企業です。また、会社の設立は1909年に遡り、創業者の井上貞治郎は日本で初めて段ボールを事業化した人物として知られています。段ボールの名称も彼の命名によるものであり、世界的にも段ボールの連続運転装置を初めて開発したことでも有名です。

社章の由来

レンゴーの社章は「三成社」の「三」と「成」の文字を基にデザインされています。これは創業時の象徴であり、後に聯合紙器株式会社設立時にも継承されました。この社章は段ボールの段の「聯」と「合」をイメージさせるものとして、社名にふさわしいものであると考えられています。

経営哲学「きんとま」

井上貞治郎が提唱した経営哲学「きんとま」は、企業運営において非常に重要な意味を持っています。「きん」はお金や鉄のように堅い意志を指し、「と」は英語の「and」、そして「ま」は真心を象徴します。この言葉は、商売における金銭の重要性と同時にチャンスを逃さず、真心を込めて経営することを強調しています。

沿革

1909年、井上貞治郎により「三盛舎」として段ボール事業を開始。その後、数度の名称変更を経て、1972年に「レンゴー株式会社」となる。2000年代に入ると、国内外に工場を増設し、特に1990年からはマレーシアを皮切りに海外へ進出。最新の開発や技術を取り入れ、自社の設備を強化しています。

環境への取り組み

レンゴーは環境に配慮した製品開発にも注力しており、2010年には太陽光発電により全電力を賄う福島矢吹工場を開設しました。「Cフルート段ボール」や「デルタフルート段ボール」といった新しいタイプの段ボールも開発し、その軽量化に努めています。加えて、段ボール製の防炎材や空調ダクトといった新たな用途開発も進めています。

海外展開

戦前はアジア各地に拠点を構えていたものの、戦後は一度すべてが接収されました。1990年からは海外事業の本格的な展開を始め、現在では中国やタイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、米国などに製紙や段ボールの工場を構えています。特に中国では独資進出を進めており、俊敏な経営を目指しています。

新仙台工場の建設と復興

2011年の東日本大震災後、仙台工場が被害を受けましたが、社長の大坪は新工場の再建を決定しました。短期間で新しい工場を完成させ、地域経済の復興にも寄与することを目指しました。この取り組みは、地元の雇用を守るだけでなく、企業の社会的責任を果たす一環として評価されています。

メディアへの露出

レンゴーの取り組みや経営スタイルは、テレビ番組『カンブリア宮殿』や書籍を通じても取り上げられています。特に、創業からの歩みや経営哲学は多くのビジネスパーソンにとって学びの対象となっています。

レンゴー株式会社は、板紙や段ボールの製造だけでなく、環境への配慮や地域社会への貢献においても積極的に取り組んでいます。これらの施策を通じて、持続可能な未来を築いていくことを目指しています。

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