レールバス

レールバスとは

レールバスは、バスなどの自動車の部品や構造を応用して作られた小型の気動車です。この車両は軽量であり、製造コストや運用コストも低いため、乗客が少ない閑散路線への導入が進められています。特に日本では、1950年代に西ドイツのレールバスをモデルにした機種が導入されたことがきっかけとなり、多くの形式が製造されてきました。

日本国外のレールバス

アメリカでは1931年に製造された「ギャロッピンググース」が有名であり、ヨーロッパでも1950年代から西ドイツ、フランス、イギリス、チェコスロバキアなどで大量生産されました。これらの国々では、輸送量が少ない路線での運行に利用され、鉄道網の補完として重要な役割を果たしました。

日本におけるレールバス

日本でのレールバスは、狭義には国鉄が1950年代に西ドイツのレールバスを参考に開発したキハ10000・10200形気動車を指します。広義には自動車の部品を豊富に取り入れた気動車を幅広く指し、一般の気動車との境界線は曖昧です。たとえば甘木鉄道では、開業時から長期間にわたり「レールバス」と呼ばれる車両を使用しています。

「軌道自動車」時代

日本の黎明期においても、早期の気動車は自動車を元にしたものが多く、矢沼商店が製作した内燃動車は自動車が改造されて鉄道用の車輪を取り付けたものでした。しかし、軽便鉄道に導入するのが難しい構造であったため、実際には鉄道専用に設計された車両が主に運行されました。このような初期の段階から、レールバスの定義が確立されていく過程では、単端式ガソリンカーが「レールバス」として扱われるようになりました。

第1世代レールバス

1950年代の日本では、国鉄が西ドイツのVT98型気動車を視察したことがきっかけで、レールバスの導入が始まります。1954年に試作車が製造され、その後量産型が生まれました。この頃の日本はモータリゼーションが未発展で、鉄道輸送が重要視されていたため、レールバスは閑散線区でも活躍しました。しかし、乗客数が増加すると収容力不足や乗り心地の悪さが問題視されました。

富士重工業製レールバスの登場

国鉄の動きに連動する形で、富士重工業（現・SUBARU）は地方私鉄向けにレールバスの製造を開始しました。羽幌炭礦鉄道や南部縦貫鉄道に納入されたレールバスは、バス工法で製作された特徴を持っています。特に南部縦貫鉄道向けのものは、約30年以上使われ続けています。これにより、維持管理や補修部品の供給が行われ、廃止後も動態保存されています。

アンヒビアンバス

1962年に製造されたアンヒビアンバスは、鉄道線と道路の両方を走行できる特殊なバスです。複雑な構造を持ち、鉄道線へ接続するための台車を使用して運行可能でしたが、商業運行は実現しませんでした。

第2世代レールバスの影響

1970年代以降、モータリゼーションの進展に伴い、地方私鉄では客数が減少する事態が進行します。この状況に対抗するため、1982年には富士重工業が新しいバス構造を採用したLE-Carを開発しました。これにより、混雑時にも対応できるよう、連結運転が容易になりました。新潟鐵工所も同様に、NDCシリーズを開発し、運用されました。

デュアル・モード・ビークル

2004年、北海道で試作されたデュアル・モード・ビークルは、鉄道と道路両方で運用可能な新たな試みでしたが、実用化には至りませんでした。これはレールバスの形態が変わりつつあることを示しています。

まとめ

レールバスは、運行コストの低さや閑散路線での実用性から、多様な形で日本の鉄道網に大きな影響を与えてきました。今後も鉄道の未来を考える上で、レールバスの存在は無視できない重要な要素となり続けるでしょう。

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