ロアーク

ロアーク (Roäc)

J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『ホビットの冒険』に登場する、はなれ山のからすが丘に住む山の大ガラス一族の頭目。

人物

ロアークはカークの息子であり、ビルボたちがはなれ山を訪れた2941年には153歳という老齢で、頭は禿げ上がり、よろよろと飛ぶ姿だった。スマウグがはなれ山を襲撃し、ドワーフたちが離散した2770年にはまだ生まれていなかったが、父カークから大ガラスの一族とドワーフの一族との友情について聞かされていた。ツグミからドワーフたちの苦境を知らされると、スマウグの死を知らせ、ビルボたちを喜ばせた。

物語での活躍

分別あるカラス

ロアークは、竜を退治したバルドが湖の町の人々を率い、闇の森のエルフ王の軍勢とともに、はなれ山に近づいていることをドワーフたちに伝えた。湖の町がスマウグによって破壊されたため、彼らはその補償としてドワーフの財宝の分け前を要求しようとしていた。ロアークは、はなれ山周辺の住人に財宝を分け与え、融和を図るよう助言したが、ドワーフの首領トーリンは頑なに拒否した。

アーケン石の盗難

トーリンはロアークに、ダイン率いるくろがね連山のドワーフに、トーリン一党の窮状を伝えることを依頼し、ロアークは若い大ガラスをくろがね連山へ送った。数日後、ダインは500人のドワーフを率いてやってきたが、エルフと人間ははなれ山を包囲しており、ドワーフがその包囲を突破しようとすれば、戦闘は避けられない状況だった。ロアークは再びトーリンに融和を懇願したが、トーリンはまたしても拒否した。そのため、ビルボははなれ山最大の財宝であるアーケン石を旅の報酬として持ち出し、バルドとエルフ王の陣を訪れた。そして、アーケン石をバルドに渡すことで、戦闘を回避しようと試みた。

ロアークは、ドワーフと人間、エルフとの間で起こりうる争いを回避しようと尽力した、分別ある存在として描かれている。

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