ロイス人民州

ロイス人民州（ドイツ語: Volksstaat Reuß）は、現在のテューリンゲン州東部に位置していたドイツ国の自由州です。第一次世界大戦後のドイツ革命の波に乗り、君主制が廃止されたロイス＝グライツ侯国とロイス＝ゲーラ侯国が1918年に合邦して成立しました。

歴史

当時のロイス地方は、グライツを首都とするロイス＝グライツ侯国と、ゲーラを首都とするロイス＝ゲーラ侯国という二つの侯国が存在し、これらは弟系ロイス家のハインリヒ27世によって同君連合として統治されていました。しかし、ドイツ革命の勃発とドイツ共和国の成立を受け、ハインリヒ27世は1918年11月11日に退位を余儀なくされます。

その結果、ロイス＝グライツ侯国は兄系ロイス自由州（Freistaat Reuß älterer Linie）へ、ロイス＝ゲーラ侯国は弟系ロイス自由州（Freistaat Reuß jüngerer Linie）へとそれぞれ移行し、同年12月21日には自治管理委員会が設置されました。1919年2月2日には両自由州で州議会選挙が実施され、いずれの州でもドイツ独立社会民主党が第一党となるなど、社会主義的な影響が強まりました。

同年4月4日、両ロイス州合同議会は両州の統合に関する法律を可決し、暫定憲法および地方行政法が制定されました。しかし、この自由州としての期間は長くは続かず、1920年5月1日には他のテューリンゲン地方の6つの州と合邦し、新たにテューリンゲン州として再編されました。

地方行政

ロイス人民州は、地理的に大きく3つの地域に分かれていたため、それぞれの地域に地区評議会が設置され、地方行政を担っていました。

ゲーラ地区評議会: シュライツ、トリーベス、ホーエンロイベンの飛び地を除く、旧ロイス＝ゲーラ侯国の領土を管轄。
グライツ地区評議会: ブルククおよびラウシェンゲゼーの飛び地を除く、旧ロイス＝グライツ侯国の領土と、旧ロイス＝ゲーラ侯国領のうちトリーベスとホーエンロイベンの飛び地を管轄。
シュライツ地区評議会: 旧ロイス＝ゲーラ侯国のシュライツの飛び地と、ロイス＝グライツ侯国のブルククおよびラウシェンゲゼーの飛び地を管轄。

州議会選挙

1919年2月2日に実施された州議会選挙では、前述の通り、両自由州ともにドイツ独立社会民主党が勝利しました。以下は選挙結果の詳細です。

兄系ロイス自由州

定数：15
投票率：74.7%

弟系ロイス自由州

定数：21
投票率：81.9%

州旗と紋章

ロイス人民州の州旗は、ロイス＝グライツ侯国から引き継がれた横縞の黒、赤、金のデザインが採用されました。紋章は、ヴァイダの帝国代官に由来するもので、赤い鎧を身に着け、黒い盾を持ち、赤い王冠を戴いた金のライオンが描かれていました。

ロイス人民州は短命な州でしたが、その存在はテューリンゲン地方の歴史において重要な位置を占めています。

参考資料

Übersicht zum Volksstaat Reuß

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