ロイヤルペンギン

ロイヤルペンギン（学名：Eudyptes schlegeli）は、南極海周辺に生息するペンギンの一種です。学名の種小名は、ドイツの動物学者ヘルマン・シュレーゲルにちなんで名付けられました。

形態と分布

ロイヤルペンギンは、マカロニペンギンによく似ていますが、顔と顎が白いのが特徴です。マカロニペンギンは顔が黒いため、容易に見分けることができます。体長は約70cm、体重は約6kgで、マッコーリー島でのみ繁殖します。繁殖期以外は、他のペンギンと同様に遠洋で生活しています。

生態

ロイヤルペンギンの主な餌はオキアミや魚で、まれにイカも食べます。興味深いことに、ロイヤルペンギンはマカロニペンギンと交雑することがあり、そのためにロイヤルペンギンがマカロニペンギンの亜種であるという説も存在します。他のペンギンでも稀に雑種が生まれることは知られていますが、この種間雑種は注目に値します。

ロイヤルペンギンは、他の海鳥と同様に大規模な繁殖群を形成します。繁殖場所は、砂浜や植物のある斜面、海岸から1.6kmほど内陸の丘など様々です。巣は砂を掘って浅いくぼみを作り、そこに小石を敷き詰めます。繁殖期は9月に始まり、10月から産卵が始まります。通常、メスは2つの卵を産みますが、1つ目の卵は巣の外に捨ててしまうことが多く、2つ目の卵のみを抱卵します。抱卵期間は約35日で、最初の数日間は頻繁に交代しますが、その後はメスとオスがそれぞれ約2週間ずつ交代で抱卵します。雛が生まれてから10～20日間は、主にオスが雛を抱いて世話をしますが、その後は「クレイシ」と呼ばれる雛だけの群れを作ります。親鳥は餌を探しに出かけ、1日に2、3回クレイシに戻って雛に餌を与えます。雛は約2ヶ月で羽が生え揃い、クレイシを解散して巣立ちます。若鳥は6年後に繁殖のために戻ってきます。

個体数の減少と回復

過去には、ロイヤルペンギンは油を採取するための狩猟対象となっていました。1870年から1919年の間、タスマニア植民地政府はロイヤルペンギンの狩猟を許可しており、毎年平均15万羽ものペンギン（ロイヤルペンギンとキングペンギンを含む）が狩猟されていました。しかし、マッコーリー島でのペンギン猟が禁止されてから、ロイヤルペンギンの個体数は回復し、現在では約140万羽にまで増加しています。

参考文献

BirdLife International (2005). "Eudyptes schlegeli". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2006. International Union for Conservation of Nature.
del Hoyo,J., Elliot, A., Sargatal, J., eds (1992) Handbook of the Birds of the World, Volume One Ostritch to Ducks, ISBN 84-87334-10-5

関連項目

オーストラリアの野鳥一覧
ニュージーランドの野鳥一覧

外部リンク

ロイヤルペンギンのメディア - ARKive （英語）
ぺんたぁず：ロイヤルペンギン
* ペンギンの達人：ロイヤルペンギン - archive.today（2013年4月27日アーカイブ分）

もう一度検索