ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』（原題: A Royal Night Out）は、2015年に公開されたイギリスのロマンティック・コメディ映画です。ジュリアン・ジャロルドが監督を務め、サラ・ガドンとベル・パウリーがそれぞれエリザベス王女とマーガレット王女を演じています。

この映画は、1945年のヨーロッパ戦勝記念日（VE-Day）の夜、後のエリザベス2世女王が妹のマーガレット王女と共に、国民と共に戦勝を祝うために外出を許可されたという史実に着想を得ています。しかし、映画の内容はフィクションであり、王女たちの一夜の冒険を通じて、彼女たちの成長を描いたドラマとなっています。

物語は、第二次世界大戦の終結直後、ロンドンのバッキンガム宮殿から始まります。エリザベス王女（愛称リリベット）は、戦勝に沸く群衆を静かに見つめていましたが、妹のマーガレット王女は、宮殿の外で自由に過ごしたいと強く願っていました。姉妹は母のエリザベス王妃に外出を願い出ますが、当然のように却下されます。しかし、父であるジョージ6世の計らいにより、リリベットは国民の反応を確かめるために外出を許されることになります。

護衛の陸軍将校2名と共に、姉妹は夜のロンドンへ繰り出します。しかし、マーガレットはすぐに護衛を撒いてしまい、リリベットは妹を追うことになります。リリベットは、偶然出会った空軍兵のジャックと共に、妹を探し回ります。その過程で、彼女は宮廷の中だけでは知り得なかった、一般市民の生活や感情に触れます。パブで国民が国王のスピーチに静かに耳を傾ける姿に感銘を受け、またジャックを通じて戦争の現実や人々の苦悩を知り、彼女は成長していきます。

一方、マーガレットは街で出会った海軍士官と夜の街を遊び歩き、最後には怪しげな娼館にたどり着きます。しかし、姉妹は最終的に再会し、共に憧れのダンスを踊ります。ジャックは脱走兵でしたが、リリベットは彼の無許可外出を不問にさせるために、自分の身分を明かします。そして、彼女はジャックの故郷を訪ね、彼の母親と触れ合うことで、より人間的な視点を手に入れます。

物語の終盤、リリベットは父王に街で見た人々の様子を報告し、またジャックを「英雄」として紹介します。この夜の経験を通じて、リリベットは次期女王としての自覚を深め、また、国民の生活に寄り添うことの重要性を理解します。映画は、リリベットがジャックと別れのキスを交わし、晴れやかな笑顔を見せるシーンで幕を閉じます。

この映画は、単なるロマンティック・コメディとしてだけでなく、王女たちの成長物語として、また、戦争終結後の社会の変化を描いた作品としても評価されています。サラ・ガドンとベル・パウリーの演技も高く評価され、歴史的な出来事を背景に、若き王女たちの葛藤や成長を魅力的に描いています。

映画には、ルパート・エヴェレットがジョージ6世役、エミリー・ワトソンがエリザベス王妃役で出演しています。日本語吹き替え版では、下山田綾華がエリザベス王女、竹内恵美子がマーガレット王女、日野聡がジャック・ホッジ役を演じています。

批評家からの評価も比較的好評で、Rotten Tomatoesでは74%の支持率、Metacriticでは58/100のスコアを獲得しています。

映画は『ローマの休日』などの作品と比較されることもあり、ロイヤルファミリーを題材にした作品として人気を集めました。

キャスト
エリザベス王女 - サラ・ガドン（下山田綾華）
マーガレット王女 - ベル・パウリー（竹内恵美子）
ジャック・ホッジ空軍兵 - ジャック・レイナー（日野聡）
ジョージ6世 - ルパート・エヴェレット（各務立基）
エリザベス王妃 - エミリー・ワトソン（喜代原まり）

評価
Rotten Tomatoes: 74%の支持率、平均評価5.8/10
Metacritic: 58/100

関連作品
『ローマの休日』

外部リンク
公式ウェブサイト（英語）
公式ウェブサイト（日本語）
ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 - allcinema
ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 - KINENOTE
A Royal Night Out - IMDb（英語）
A Royal Night Out - Box Office Mojo（英語）
A Royal Night Out - Rotten Tomatoes（英語）
A Royal Night Out - Metacritic（英語）

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