ロイヤル・ライシーアム劇場

ロイヤル・ライシーアム劇場

ロイヤル・ライシーアム劇場（Royal Lyceum Theatre）は、スコットランドのエディンバラにある劇場で、658席を有しています。この劇場の名前は、かつてロンドンに存在した伝説的なシェイクスピア俳優ヘンリー・アーヴィングが所属していたライシーアム劇場に由来しています。1883年に建築家チャールズ・J・フィップスの設計により、当時の資金17,000ポンドで建てられました。設計の依頼者は、エディンバラの劇場経営者兼俳優であったJ・B・ハワードとF・W・P・ウィンダムで、彼らは後にハワード・アンド・ウィンダムという劇団を設立しました。

この劇場は、開場以来何度か改装されていますが、フィップスのオリジナルの設計が最も良好に保存されています。具体的には1929年、1977年、1991年、1996年に小規模な改修が施されていますが、劇場の本来の魅力は色あせていません。1965年にはエディンバラ・コーポレーションが劇場を取得し、新たにロイヤル・ライシーアム劇団が設立され、以来、劇団は恒久的にこの劇場を拠点として活動しています。エディンバラ市当局から劇場を長期にわたり賃貸しています。

1947年に始まったエディンバラ国際フェスティバルでは、この劇場が初期の主要な会場の一つとされ、毎年8月の3週間にわたって他都市から訪れる劇団に空間を提供することで知られてきました。また、エディンバラ・フェスティバル・フリンジに参加する劇団にも頻繁にスペースが提供されています。

ロイヤル・ライシーアム劇場は、単なる演劇の場を超えて、オペラの上演でも重要な役割を果たしています。19世紀末にはカール・ローザの歌劇団が初巡業を行い、1960年代から1970年代にかけてのスコットランド・オペラによる『蝶々夫人』や『マノン』、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』といった名作の公演が行われました。また、この劇場はイギリスで初めて鉄製の防火幕を装備し、スコットランド初の電灯を照明として使用した劇場でもあります。

2016年には芸術監督がマーク・トムソンからディヴィッド・グレイグに交代し、新たな時代を迎えました。

幽霊の噂

ロイヤル・ライシーアム劇場は幽霊に取り憑かれているとも言われ、多くの目撃談が寄せられています。特に、こけら落としに出演したエレン・テリーの青い衣装の淑女の姿が目撃されたという話が残っています。また、舞台上の照明装置の近くに影のような人物が現れることも報告されており、しばしば鐘の音のような音も聞かれるとされています。

このように、ロイヤル・ライシーアム劇場は歴史的な価値だけでなく、神秘的なエピソードも持つ魅力的な場所なのです。

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